帰化申請に必要な書類について

投稿日:2025年8月15日

日本で暮らしていく中で、『日本国籍を取得したい』と考える外国人の方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、いざ帰化申請をしようと思っても、どんな書類が必要なのか分からず、不安に感じていませんか?

この記事では、帰化申請に必要な書類をご紹介します。この記事を読めば、どのような書類が必要か、その全体像を把握することができます。効率的に手続きを進めるための参考にしてください。

1.必要書類の一覧表について

帰化申請に必要な書類は、申請者の国籍、家族状況、職業、経歴等によって、一人ひとり異なります。実際にどの書類が必要かは、法務局に事前相談に行った時に指示されます。ですが、事前にある程度必要な書類を知りたい場合には、法務局が示している書類一覧表や帰化許可申請のてびきが参考になります。

こちらでは、当事務所がある広島法務局が示している書類一覧表をもとに、必要書類を具体的にご紹介していきます。(申請される際は、必ず住所地を管轄する法務局の提出書類一覧表を確認してください。)

2.自分で作成する書類

以下の書類は、自分で作成する必要がある書類です。動機書は必ず申請者が手書きで作成する必要がありますが、それ以外はパソコンで作成してもよいです。

  1. 帰化許可申請書 ※6か月以内に撮影した写真(5cm×5cm)2枚も必要
  2. 帰化の動機書 ※特別永住者の方は不要
  3. 宣誓書 ※申請受理時に審査官から渡され、署名を求められるため、事前準備は不要
  4. 親族の概要
  5. 履歴書(その1その2
  6. 生計の概要(その1その2
  7. 事業の概要 ※会社経営者、個人事業主のみ
  8. 自宅付近の略図・勤務先付近の略図 ※過去3年以内が対象

3.集める書類 ①国籍・身分関係書類

ここからは、具体的に集める書類についてご紹介します。まずは、国籍・身分関係に関する書類です。

(1)本国の公的機関等から取り寄せる書類

集める書類の中で、一番大変なのが、本国関係の書類です。しかし、一番大変だからこそ、最初に集めるべき書類でもあります。その理由は、本国関係の書類は、翻訳が必要である(集めるだけではダメ)ということと書類の有効期限が長い(発行から6か月以内のものを提出すればよい)からです。
以下に、国籍別で本国関係の必要書類をまとめてみました。申請者の状況により、不要な書類もあると思いますが、参考にしてみてください。
なお、書類の取り寄せ方法については、本国にいる親族に取得してもらい、日本に送ってもらう方法が一般的ですが、韓国の書類については、在日韓国大使館や領事館でも取得が可能です。

  中国

台湾

韓国 その他の国

領事証明書(本人)

台湾戸籍(除籍)謄本(本人)

基本証明書(本人)

国籍証明書(本人)

出生公証書(本人)

台湾戸籍(除籍)謄本(両親・兄弟姉妹)

婚姻関係証明書(本人・両親) 出生証明書(本人・兄弟姉妹)

死亡公証書(配偶者・両親・兄弟姉妹)

卒業証明書【最終学歴が本国の場合】

家族関係証明書(本人・両親) 婚姻証明書(本人・両親)

結婚公証書(本人・両親)

1~3までの書類の翻訳文

入養関係証明書(本人) 離婚証明書(本人・両親)
離婚公証書(本人・両親)

パスポート(本人)

親養子入養関係証明書(本人) 家族関係証明書(本人・両親・兄弟姉妹)
親族関係公証書(本人) 申述書(母又は父が申請者の出生に関する情報等を記載する書類) 本国の戸(除)籍謄本  死亡証明書(両親・兄弟姉妹)
卒業証明書【最終学歴が本国の場合】   卒業証明書【最終学歴が本国の場合】 卒業証明書【最終学歴が本国の場合】
1~7までの書類の翻訳文   1~7までの書類の翻訳文 1~7までの書類の翻訳文
パスポート、渡航証明書(本人・配偶者・両親)   パスポート、渡航証明書(本人・配偶者・両親) パスポート、渡航証明書(本人・配偶者)
10 申述書(母又は父が申請者の出生に関する情報等を記載する書類)   申述書(母又は父が申請者の出生に関する情報等を記載する書類) 申述書(母又は父が申請者の出生に関する情報等を記載する書類)
(2)日本の公的機関等から取り寄せる書類

日本の市役所等で集める書類は、発行から3か月以内のものを提出しなければならないので、本国関係の書類が集まり、法務局の審査官に確認してもらった後に集め始めるのがよいと思います。以下に一般的な必要書類をご紹介しますが、各種証明書は、その事柄が本人や親族に発生した場合に集める必要があります。

  1. 出生届の記載事項証明書(本人・兄弟姉妹・本人の子)
  2. 婚姻届の記載事項証明書(本人・両親)
  3. 離婚届の記載事項証明書(本人・両親)
  4. 死亡届の記載事項証明書(配偶者・両親・兄弟姉妹)
  5. その他の届書や書類【養子縁組届・認知届・親権を証する書類・裁判書等】(本人等)
  6. 戸籍謄本全部記載事項証明書 ※親族(元配偶者含む)が日本人の場合や帰化した者が親族にいる場合は、その人の戸籍謄本が必要
  7. 住民票(本人・両親・同居者全員) ※マイナンバーの記載は不要

4.集める書類 ②収入・職業関係書類

続いて、申請者の収入・職業関係に関する書類についてご紹介します。収入・職業関係の書類は、市役所や税務署等の公的機関で取得するものと勤務先で取得するものがあります。こちらの書類も本国書類が集まってから、集め始めるのがよいと思います。
申請者が会社員か経営者かによって、必要書類が異なります。表にまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。

  会社員

個人事業主

会社経営者

直近の源泉徴収票(本人・同一生計家族)

直近1年分の住民税の納税証明書(本人・同一生計家族)

直近の源泉徴収票

直近1年分の住民税の納税証明書(本人・同一生計家族)

直近1年分の住民税の課税証明書(本人・同一生計家族)

個人の直近1年分の住民税の納税証明書(本人・同一生計家族)

直近1年分の住民税の課税証明書(本人・同一生計家族)

直近3年分の所得税の納税証明書(同一生計家族も個人事業主の場合は、その家族のものも必要)

個人の直近1年分の住民税の課税証明書(本人・同一生計家族)

確定申告の義務がある場合は、直近の所得税の確定申告書の控え

直近3年分の事業税の納税証明書

個人の直近1年分の所得税の確定申告書の控え
確定申告の義務がある場合は、直近1年分の所得税の納税証明書

直近3年分の消費税の納税証明書(売上1,000万円を超える場合)

個人の直近3年分の所得税の納税証明書
直近1年分の年金記録の写し(国民年金に加入している場合は、家族のものも必要) 直近の所得税の確定申告書の控え 会社の直近1年分の住民税の納税証明書
直近1ヶ月分の給与明細書(本人・同一生計家族) 確定申告の義務がある場合は、徴収金の領収書の写し 会社の直近3年分の事業税の納税証明書
在勤及び給与証明書(本人・同一生計家族) 直近1年分の年金記録の写し(国民年金に加入している場合は、家族のものも必要) 会社の直近3年分の法人税の納税証明書
  営業許可が必要な事業の場合、営業許可証の写し 会社の直近3年分の消費税及び地方消費税の納税証明書(売上1,000万円を超える場合)
10   直近決算期の貸借対照表と損益計算書の写し 会社の直近の法人税の確定申告書の控え
11   修正申告書の控えの写し(直近3年間で所得税等を修正申告した場合) 源泉徴収義務がある場合は、源泉徴収簿の写し
12   在勤及び給与証明書(本人・同一生計家族) 源泉徴収義務がある場合は、徴収金の領収書の写し
13     直近1年分の厚生年金保険料領収書等の写し
14     厚生年金加入届けの控えの写し
15     営業許可が必要な事業の場合、営業許可証の写し
16     会社の登記事項証明書
17     直近決算期の貸借対照表と損益計算書の写し(上場会社は不要)
18     修正申告書の控えの写し(直近3年間で法人税等を修正申告した場合)
19     在勤及び給与証明書(本人・同一生計家族)

5.集める書類 ③生活関係書類

最後に、申請者の日々の暮らしに関する必要書類についてご紹介します。こちらの書類も本国書類が集まってから、集め始めるのがよいと思います。

  1. 特別永住者証明書又は在留カードの両面コピー
  2. 自動車運転免許証の両面コピー
  3. 5年分の運転記録証明書(免許取得後5年未満でも5年分が必要)
  4. 運転免許経歴証明書(失効した人、取り消された人のみ)
  5. 在学証明書(現在、在学中の人のみ)
  6. 卒業証明書(最終学歴が日本の学校の場合)
  7. 技能・資格証明書又は免許証のコピー(国家資格や日本語能力試験の合格証がある場合)
  8. 預貯金残高証明書又は通帳のコピー
  9. 土地・建物登記事項証明書(不動産を所有している場合)
  10. アパート等の賃貸借契約書(賃貸物件に住んでいる場合)
  11. 自宅の写真(外観、玄関、リビング、キッチン、寝室、トイレ、洗面所、自家用車等)
  12. 家族との写真(同居家族がいる場合)
  13. 健康保険証の両面コピー

6.まとめ

この記事では、帰化申請に必要な書類をご紹介しました。
帰化申請に必要な書類の多さを見て、ご自身での手続きに不安を感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご安心ください。帰化申請の専門家である行政書士に任せれば、これらの書類準備から申請まで、サポートを受けることができます。スムーズかつ確実に帰化申請を進めたい方は、ぜひお気軽に行政書士ご相談ください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に興味を持ちました。その後、一念発起して行政書士試験を受験し、合格することができました。
2025年5月に、広島県東広島市で
国際業務専門のかざはな行政書士事務所を開業しました。ビザ申請や帰化申請の代行サポート業務で、皆さんのお役に立つため、猛勉強の毎日です。

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