投稿日:2025年12月15日
ブラジルと日本は、100年以上にわたる「日本人移民」の歴史に支えられた、世界でも類を見ないほど特別な絆で結ばれています。特にブラジルには世界最大の日系人社会があり、両国間の「人の交流」は今も絶えることがありません。このような深い縁があるからこそ、ブラジル人との国際結婚を考える日本人は数多くいらっしゃいます。
しかし、多くの方が頭を悩ませるのが、その愛を形にするための「国際結婚の手続き」です。両国の制度の違いや必要書類の煩雑さから、「どこから手を付ければよいのか分からない」という不安の声もよく聞かれます。
特に、日本人とブラジル人の国際結婚は、どちらの国で先に手続きを進めるかによって、必要書類や流れが大きく変わります。
具体的には、
ブラジルで先に手続きをする場合
の2つのパターンが存在します。
この記事では、それぞれのパターンに沿って、必要な書類や手続きの流れを解説します。複雑に思える手続きも、1つずつクリアしていけば、必ずゴールにたどり着けます。この記事を参考に、スムーズに手続きを進めていきましょう。
まずはじめに、結婚の手続きを進めるにあたって、自分や相手が結婚できる年齢であるかどうかを確認する必要があります。国によって、結婚できる年齢が異なるため、とても重要な確認事項です。
日本人とブラジル人との国際結婚の場合、日本人は、男女ともに18歳以上であることが求められますが、ブラジル人は、男女ともに16歳以上であれば結婚可能です。ただし、18歳未満の場合は両親の許可が必要ですが、女性が妊娠している場合は、年齢に達していなくても裁判所の許可で結婚できる場合があります。
また、ブラジルには再婚禁止期間のルールがあり、ブラジル人女性は、離婚後10ヶ月を経過した後、又は死別した配偶者の相続手続きが終了した後でなければ、再婚できません。
なお、ブラジルでは同性婚が認められていますが、日本では認められていないため、ブラジルで日本人とブラジル人の同性婚が成立していても、日本では配偶者ビザを取得することができません。
結婚予定のブラジル人の方が、日本に在留している場合は、日本での手続きを先に進めた方がスムーズです。まずは日本で先に手続きする場合について解説します。
最初に、日本人が住んでいる市区町村役場に結婚手続きに必要な書類を確認します。役場によって、必要な書類が異なる場合がありますので、必ず確認してください。なお、一般的によく求められる書類は以下のとおりです。
【日本人が用意するもの】
【ブラジル人が用意するもの】
次に、結婚予定のブラジル人が住んでいる地域を管轄する在日ブラジル総領事館に連絡し、婚姻要件具備証明書を取得するために必要な書類等を確認します(短期滞在ビザで来日している場合は日本人が住んでいる地域を管轄する在日ブラジル総領事館に連絡してください)。
そして、必要書類を揃えたら、予約システムで申請日を予約してください。予約日当日、必要書類を持って在日ブラジル総領事館で手続きをして、証明書を取得します。以下は、在東京ブラジル連邦共和国総領事館で求める必要書類となります(ブラジル人の在留状況によって必要書類が異なる場合がありますので、HPや電話で必ず確認してください)。
【婚姻要件具備証明書に必要な書類】
【総領事館の管轄地域】
無事、婚姻要件具備証明書を取得できたら、その翻訳文も準備して、お住まいの市区町村役場で婚姻届と必要書類を提出します。この手続きで、日本における婚姻関係の手続きは完了です。
日本での手続きが終わったら、在日ブラジル総領事館に結婚の報告を行います。
一般的には、日本での婚姻手続きで提出した書類のコピー、婚姻届受理証明書、婚姻届出記載事項証明書、婚姻の事実が記載された戸籍謄本やパスポート、日本語の書類のポルトガル語翻訳文が必要となりますが、状況によって求められる書類が追加されることもありますので、事前に管轄の在日ブラジル総領事館へ確認してください。
上記手続きが完了すると、入管に配偶者ビザ申請をするにあたって必要な「結婚証明書」を取得することができます。
ブラジル人との国際結婚が成立したら、配偶者ビザへの変更許可申請又は認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。
中長期の在留資格を持つ方が変更許可申請を行う場合についてはこちらを、短期滞在ビザ(90日)から手続きを行う場合はこちらをご覧ください。
配偶者ビザには様々なメリットがあります。例えば、配偶者ビザは、就労制限が無く、自由に働くことができます。アルバイトだけでなく、正社員や会社経営等、様々な働き方をすることができます。また、永住権の取得についても、配偶者ビザの方は要件が緩和されており、永住申請しやすいです。
とは言え、配偶者ビザは審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
結婚予定のブラジル人の方がブラジルに在住している場合は、ブラジルでの手続きを先に進めた方がスムーズです。
ここからは、ブラジルで先に結婚手続きをする場合について解説します。
まず、結婚予定の日本人がブラジルでの結婚の条件を満たしていることを証明する書類(婚姻要件具備証明書)が必要です。婚姻要件具備証明書は、在ブラジル日本国大使館に本人が出頭し、手続きをすることで取得できます。婚姻要件具備証明書を取得するために必要とされる一般的な書類等は、以下のとおりです。
続いて、ブラジルの民事登記所に行き、婚姻予備手続きの申請をします。申請に求められる一般的な書類は以下のとおりですが、必ず申請する民事登記所に確認してください。
この手続き後、民事登記所の掲示板に15日間掲示、地元の新聞に約1ヶ月間掲載され、公示期間中に異議が無ければ、「婚姻資格証明書」が発行されます。ただし、この証明書は有効期限が90日であるため、この期間中に登記所で結婚式を行う必要があります。結婚式後、結婚が成立し、「婚姻証明書」が発行されます。
ブラジルで結婚が成立したら、その事実を日本の戸籍に反映させるための手続きを行います。お住まいの市区町村役場か在ブラジル日本国大使館で3ヶ月以内に手続きを行いましょう。日本の役場で手続きをした方が、戸籍に婚姻事実が記載されるまでの時間が短いため(1週間程度)、おすすめですが、引き続きブラジルに滞在する場合は、在ブラジル日本国大使館で手続きを行うこともできます。ただし、婚姻事実が記載されるまでに2~2ヶ月半ほどかかりますので、注意してください。日本の役場への報告的届出に際して、必要とされる一般的な書類は以下のとおりです(必ず届出を行う役場に事前に確認してください)。
この手続きが完了して初めて、日本でも法的に婚姻が成立したことになります。
ブラジル人との国際結婚が成立し、ブラジル人配偶者と日本で暮らす場合は、ブラジル人配偶者を日本に呼び寄せるために、配偶者ビザの認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。詳しくはこちらをご覧ください(この手続きで婚姻の記載がある戸籍謄本を求められるため、日本国内の役場で報告的届出をした方がスムーズに手続きできます)。
配偶者の呼び寄せについても、審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
この記事では、日本人とブラジル人の国際結婚手続きについて、日本で先に進める場合とブラジルで先に進める場合、それぞれの流れを詳しく解説しました。
この2つのケースを比較すると、
結婚予定のブラジル人がブラジル在住なら、ブラジルで先に手続き
が、全体的な流れとしてスムーズである場合が多いです。
しかし、もしブラジルで先に手続きを進めることを選ばれた場合、1つ注意が必要です。ブラジルの制度では結婚の公示期間が約1ヶ月程度設けられているため、日本で手続きをする場合と比べて、完了までに時間がかかってしまいます。もし、結婚の手続きを急がれるようでしたら、ブラジル人は90日間の短期滞在であればノービザで来日できるため、日本で先に婚姻手続きを完了させることをおすすめします。お二人の結婚手続きが円滑に進み、新しい生活が素晴らしいものになることを心より願っております。
結婚手続き完了後には、外国人配偶者の方が日本で安定して暮らすために不可欠な配偶者ビザの申請という大切なステップが控えています。このビザ申請には、複雑な書類作成と厳格な審査が伴います。
当事務所では、日本人とブラジル人の国際結婚後の配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」)申請について、書類作成から申請代行までトータルでサポートしております。お二人が安心して新生活をスタートできるよう、確かな知識でサポートいたします。ビザ申請に関してお困りの際やご不安な点がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
かざはな行政書士事務所
代表行政書士
佐々本 紗織(ささもと さおり)
プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。
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