育成就労責任者の3つの必須要件とは?
役割や講習ルールを徹底解説

投稿日:2026年5月21日

2027年4月からスタートする育成就労制度で、外国人をスムーズに受け入れるために、企業側が必ず対応しなければならないのが「育成就労責任者」の選任です。

「これまでの技能実習責任者と何が違うの?」、「誰を選べば要件を満たせる?」そんな疑問を解決するために、今回は育成就労責任者の役割や必須要件、講習のルール等を実務のポイントを交えて分かりやすく解説します。不備があると受け入れ計画が計画通りに進まないリスクもありますので、ぜひ最後までチェックして確実な準備を進めていきましょう。

1.育成就労責任者とは?

育成就労責任者は、育成就労実施者(受入れ企業)において、技能の修得を適切に進め、外国人の保護を統括管理するリーダーです 単に名前を置くだけではなく、以下の業務を指揮・監督する実質的な権限と責任が求められます

  • 育成就労計画の作成
  • 技能や日本語能力の評価
  • 入管や機構(外国人育成就労機構)への各種届出・報告
  • 帳簿書類の作成・備付け
  • 外国人の生活・就業環境の保護や、安全衛生・労働条件の管理​

2.3つの必須要件

育成就労責任者は、誰でもなれるわけではなく、以下の基準をすべて満たす必要があります

  1. 「常勤」の役員又は職員であること 外部の人間や非常勤のスタッフを選ぶことはできません
  2. 「監督できる立場」にあること 育成就労指導員や生活相談員を指揮・監督できる立場である必要があります。そのため、業務経験の浅い新人職員などは認められません
  3. 欠格事由に該当しないこと 禁錮刑以上の刑に処せられてから5年を経過していないことや未成年者でないことが条件です

☝育成就労責任者が適切に業務を行っていない(名義貸し状態、育成就労外国人に試験を受けさせない等)と判断されると、育成就労計画の認定取り消しの対象となるため、実態を伴う選任が重要です。

3.「養成講習」の受講義務

育成就労責任者に選任されるには、上記の3つの要件に加えて、過去3年以内に「養成講習」を修了していること求められます

  • 有効期限: 3年ごとに再受講が必要です
  • 経過措置(重要): 制度開始から当分の間は、旧制度の「技能実習責任者講習」を修了していれば、育成就労責任者の講習を修了したとみなされます

4.育成就労責任者の配置のルール

育成就労責任者の配置についてもルールがありますので、確認しておきましょう。​

  • 事業所ごとに選任: 育成就労を行わせる事業所(工場、店舗、現場を管理する事務所等)ごとに1名以上選任しなければなりません
  • 兼務の可否: 要件を満たしていれば、育成就労指導員や生活相談員と兼務することが可能です
  • 所属の例外: 指導員や生活相談員とは異なり、必ずしもその事業所に所属(常駐)している必要はありませんが、適切に監督できる体制が必要です
  • 派遣形態の場合: 労働者派遣等で受け入れる場合は、実際に就労させない事業所であっても、育成就労に関する業務(事務等)を行う事業所ごとに責任者を選任する必要があります

5.まとめ

今回は、育成就労制度の鍵を握る「育成就労責任者」について解説しました。

重要なポイントを振り返ると、育成就労責任者は単に「名前を登録するだけ」の係ではありません。常勤かつ指揮監督ができる立場の人が、3年以内の養成講習(当面は技能実習責任者講習でも可)を修了し、実質的な権限を持って外国人の保護や評価を統括する必要があります。

形式だけ整えて実態が伴っていない(名義貸しのような状態)と判断されてしまうと、最悪の場合、育成就労計画の認定が取り消されてしまう厳しい側面もあります。また、派遣形態での受け入れ等、事業所ごとの配置ルールに迷うケースも少なくありません。

育成就労制度への移行に伴い、受入れ企業への周知や指導、体制づくりのサポートに追われている監理団体様も多いのではないでしょうか。新制度における各種手続きの変更点や法令コンプライアンスに基づいた体制整備について、疑問や不安がございましたら、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。外部の専門家として、円滑な制度移行をバックアップいたします。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。

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