投稿日:2025年12月12日
日本で暮らすインドネシア人は、2010年代頃から徐々に増えはじめ、最近では日本人とインドネシア人のカップルも増えてきました。一方で、多くの方が頭を悩ませるのが「国際結婚の手続き」です。両国の制度の違いもあり、どこから手を付ければよいのか分からないという声もよく聞かれます。
特に、日本人とインドネシア人の国際結婚は、どちらの国で先に手続きを進めるかによって、必要書類や流れが大きく変わります。
具体的には、
インドネシアで先に手続きをする場合
の2つのパターンが存在します。
この記事では、それぞれのパターンに沿って、必要な書類や手続きの流れを解説します。複雑に思える手続きも、1つずつクリアしていけば、必ずゴールにたどり着けます。この記事を参考に、スムーズに手続きを進めていきましょう。
インドネシア人との結婚の手続きを進めるにあたって、結婚できる年齢、再婚禁止期間、宗教等、注意すべきポイントがありますので、主なものをご紹介します。
その他にも、インドネシアは地域によって結婚のルールが異なるようですので、結婚を決められたら、インドネシアの役所等に確認しながら進めてください。
結婚予定のインドネシア人の方が、日本に在留している場合は、日本での手続きを先に進めた方がスムーズです。また日本人がインドネシア人と同じ宗教に入信する予定が無い場合も、日本での手続きを先に進めた方がよいです。まずは日本で先に手続きする場合について解説します。
最初に、日本人が住んでいる市区町村役場に結婚手続きに必要な書類を確認します。役場によって、必要な書類が異なる場合がありますので、必ず確認してください。なお、一般的によく求められる書類は以下のとおりです。
【日本人が用意するもの】
’【インドネシア人が用意するもの】
次に、結婚予定のインドネシア人が住んでいる地域を管轄する駐日インドネシア大使館又は総領事館に連絡し、婚姻要件具備証明書を取得するために必要な書類等を確認します。そして、その必要書類を持って駐日インドネシア大使館等に2人で出向き、手続きをして証明書を取得します。参考として、求められる一般的な必要書類をご紹介します(インドネシア人の在留状況によって必要書類が異なる場合がありますので、HPや電話で必ず確認してください)。
【日本人が用意するもの】
【インドネシア人が用意するもの】
日本人が用意する公的書類については、外務省のアポスティーユを求められる可能性がありますので、必ず事前に大使館等に確認してください。
無事、婚姻要件具備証明書を取得できたら、その翻訳文も準備して、お住まいの市区町村役場で婚姻届と必要書類を提出します。この手続きで、日本における婚姻関係の手続きは完了です。
日本での手続きが終わったら、駐日インドネシア大使館等にも結婚の報告を行います。一般的には、婚姻の事実が記載された戸籍謄本と婚姻受理証明書及びそれらのインドネシア語翻訳文、夫婦のパスポートのコピーが必要となりますが、状況によって求められる書類が追加されることもありますので、事前に駐日インドネシア大使館等へ確認してください。
上記手続きが完了すると、入管に配偶者ビザ申請をするのに必要な「婚姻証明書」を取得することができます。
インドネシア人との国際結婚が成立したら、配偶者ビザへの変更許可申請又は認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。
中長期の在留資格を持つ方が変更許可申請を行う場合についてはこちらを、短期滞在ビザ(90日)から手続きを行う場合はこちらをご覧ください。
配偶者ビザには様々なメリットがあります。例えば、配偶者ビザは、就労制限が無く、自由に働くことができます。アルバイトだけでなく、正社員や会社経営等、様々な働き方をすることができます。また、永住権の取得についても、配偶者ビザの方は要件が緩和されており、永住申請しやすいです。
とは言え、配偶者ビザは審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
結婚予定のインドネシア人の方がインドネシアに在住している場合は、インドネシアでの手続きを先に進めた方がスムーズですが、日本人が無宗教や他の宗教を信仰している場合、インドネシア人と同じ宗教に入るための手続きが必要となります。
ここからは、インドネシアで先に結婚手続きをする場合について解説します。
インドネシアで結婚する場合は、宗教(イスラム教、ヒンズー教、仏教、カトリック、プロテスタント)によって、手続きの方法が異なります。必ず事前に確認してから、手続きを進めてください。
結婚手続き後、婚姻証明書(イスラム方式の場合は BUKU NIKAH 、非イスラム方式の場合は AKTA PERKAWINAN )の交付を受けることができます。
インドネシアで結婚が成立したら、その事実を日本の戸籍に反映させるための手続きを行います。お住まいの市区町村役場か在インドネシア日本国大使館で3ヶ月以内に手続きを行いましょう。日本の役場で手続きをした方が、戸籍に婚姻事実が記載されるまでの時間が短いため(1週間程度)、おすすめですが、引き続きインドネシアに滞在する場合は、在インドネシア日本国大使館で手続きを行うこともできます。ただし、婚姻事実が記載されるまでに1~2か月ほどかかりますので、注意してください。日本の役場への報告的届出に際して、必要とされる一般的な書類は以下のとおりです(必ず届出を行う役場に事前に確認してください)。
この手続きが完了して初めて、日本でも法的に婚姻が成立したことになります。
インドネシア人との国際結婚が成立し、インドネシア人配偶者と日本で暮らす場合は、インドネシア人配偶者を日本に呼び寄せるために、配偶者ビザの認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。詳しくはこちらをご覧ください(この手続きで婚姻の記載がある戸籍謄本を求められるため、日本国内の役場で報告的届出をした方がスムーズに手続きできます)。
配偶者の呼び寄せについても、審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
この記事では、日本人とインドネシア人の国際結婚手続きについて、日本で先に進める場合とインドネシアで先に進める場合、それぞれの流れを詳しく解説しました。
この2つのケースを比較すると、
結婚予定のインドネシア人がインドネシア在住なら、インドネシアで先に手続き
が、全体的な流れとしてスムーズである場合が多いです。
インドネシア人との結婚は、まずお相手の方の宗教とその宗教の慣習や手続きを確認することが重要です。この事前確認が、その後の手続きを円滑に進めるための鍵となります。お二人の結婚手続きが円滑に進み、新しい生活が素晴らしいものになることを心より願っています。
結婚手続き完了後には、外国人配偶者の方が日本で安定して暮らすために不可欠な配偶者ビザの申請という大切なステップが控えています。このビザ申請には、複雑な書類作成と厳格な審査が伴います。
当事務所では、日本人とインドネシア人の国際結婚後の配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」)申請について、書類作成から申請代行までトータルでサポートしております。お二人が安心して新生活をスタートできるよう、確かな知識でサポートいたします。ビザ申請に関してお困りの際やご不安な点がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
かざはな行政書士事務所
代表行政書士
佐々本 紗織(ささもと さおり)
プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。
お電話でのお問合せ・相談予約
<受付時間>
10:00~18:00
※土曜・日曜・祝日は除く
フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。
〒739-0041 広島県東広島市西条町寺家
10:00~18:00
土曜・日曜・祝日(予約対応可)
広島県を中心に、岡山県、山口県、島根県、鳥取県および全国オンライン対応可能