運営:かざはな行政書士事務所
投稿日:2025年8月16日
帰化申請をする際の必要書類の1つに「帰化許可申請書」というものがあります。帰化許可申請書は、帰化を希望する人の基本情報を記載する申請書です。決して難しい書類ではありませんが、注意すべきポイントがたくさんあります。
この記事では、帰化許可申請書の書き方について、記載例とともに解説します。
まず、帰化許可申請書を作成するにあたり、押さえておくべきルールとして、帰化許可申請書は、帰化をしようとする人ごとに作成する必要があります。よって、家族で一緒に帰化申請をする場合は、父、母、子どもそれぞれの帰化許可申請書を作成しなければなりません。
また、この申請書に記載する文字は、漢字、ひらがな、カタカナ、アラビア数字のみで、アルファベットでの記載は認められていません。ですので、アルファベットの名前はカタカナに変えて書く必要があります。
それから、この申請書は、手書きで作成しても、パソコンで作成してもどちらでも良いですが、同じものを2部用意する必要があります。手書きで作成する場合は、1枚作成してそれをコピーして用意すれば大丈夫ですし、パソコンで作成する場合は、2部印刷すればよいです。帰化申請については、他の提出書類にも言えることですが、同じものを2部(正本と副本)提出する必要があるということを覚えておいてください。あと、手書きの場合は、修正液や修正テープを使用してはいけないことにも注意してください。
なお、申請書の様式は住所地を管轄する法務局のHPからダウンロードして作成しましょう。参考に、当事務所がある広島法務局の様式を掲載しておきます。
それでは早速、帰化許可申請書の記載例(出典:帰化許可申請のてびき)を見ながら、注意すべきポイントについて、確認していきましょう。
❶申請年月日欄は、帰化申請が受理される時に記載する欄ですので、空欄にしておいてください。
❷写真は、カラー・白黒どちらでも大丈夫ですが、帰化申請の6か月前以内に撮影した5㎝×5㎝の証明写真を貼ってください。申請書の正本と副本それぞれに貼る必要がありますので2枚必要です。基本は帽子をかぶらず、正面を向いて、上半身のみが鮮明に写っている一人の写真が必要ですが、申請者が15歳未満の場合は、父母等の法定代理人の間に申請者をはさんだ状態で一緒に撮影した写真が必要です。写真のサイズが変わっているため、写真スタジオで撮影して、サイズ注文されることをおすすめします。
❸国籍・地域は、申請者が属している国名や地域名を記載してください(例:中国、台湾、アメリカ合衆国)。
❹出生地は、生まれたところを記載しますので、病院で生まれた場合は病院の住所、自宅で生まれた場合は自宅の住所を地番まで記載してください。地番等が分からない場合は、「以下不詳」と記載しても大丈夫です。
❺住所は、マンション、アパート等に住んでいる場合は、マンション名や部屋番号まで詳細に記載してください。なお、住所地のほかに寝泊まりするようなところがあれば、住所の要領で記載してください。
❻フリガナは、以前ひらがなでの記載を求められていましたが、2025年5月施行の戸籍法の改正により、戸籍に氏名のふりがながカタカナで記載されることとなったため、この申請書でもカタカナでの記載が求められるようになりました。
❼氏名は、氏、名の順番で漢字又はカタカナで記載してください。アルファベットでの記載はできません。また、中国の簡略体漢字は、日本の正字に引き直して記載する必要があります。それから、ミドルネームがある場合は、「氏」の欄にすべて記載してください。
❽通称名がある場合は、これまで使用した通称名を含め、その全部を記載してください。
❾生年月日は、日本の年号(大正・昭和・平成・令和)で記載してください。生年月日を訂正したことがある場合は、訂正前のものをカッコ書きしてください。
❿日本での続柄の考え方で記載してください。男女で分け、長男又は長女、二男又は二女、三男又は三女といった形で記載します。
⓫現在持っている在留カード又は特別永住者証明書の12桁の番号をそのまま記載してください。
⓬父母の氏名は、氏、名の順番で漢字又はカタカナで記載してください。アルファベットでの記載はできません。また、中国の簡略体漢字は、日本の正字に引き直して記載する必要があります。
⓭父母が外国籍の場合は、国名を記載し、日本国籍の場合は、本籍地を地番まで記載してください。
⓮、⓯養父母がいる場合は、養父母の氏名と国籍を記載してください。いない場合は、記載不要です。養父母が日本国籍である場合は、本籍地を地番まで記載してください。
⓰帰化後の本籍地は、帰化が許可された場合を予定して、あらかじめ記載する必要があります。本籍地は自由に決めることができますが、次の点に注意してください。
・本籍には、土地の地番又は住居表示が使用できますが、住居表示番号の場合は「〇丁目〇番」(※〇号は記載できません)と記載してください。
・実在しない町名、地番等は使用できません。分からない場合は、本籍とした市区町村の役場に確認してください。
⓱帰化後の本籍の氏名のフリガナを記載する必要があります。フリガナのルールとして、「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものでなければならない」とされていますので、その点に留意して決めましょう。
⓲帰化後の氏名は、現在の氏名と全く関係のない氏名を自由に決めていただいても大丈夫です。ですが、原則として、常用漢字表、戸籍法施行規則別表第二に掲げる漢字、ひらがな、カタカナ以外は使用できません。そして、帰化許可後の変更は認められないため、もし申請書に書いた氏名を変更したいと思った場合は、結果が出る前に審査官に変更の意思を伝えなければなりません。
また、夫婦又は日本人の配偶者が帰化申請をする場合は、帰化後の氏について、夫又は妻のどちらの氏によるかをカッコ内に記載してください。ちなみに、日本人の配偶者がいる方は、帰化後に必ずその方の戸籍に入らなければならないわけではありません。夫婦二人で決めた新たな氏で新しい戸籍を作ることも可能です。この場合、日本人の配偶者はこれまで使っていた氏ではなく、新たに作られた戸籍に記載された氏を使用することになります。
⓳申請者の署名欄は、帰化申請が受理される時に自筆にて記入することとなりますので、空欄にしておいてください。なお、申請者が15歳未満の場合には、法定代理人が次のように署名することとなります。
「子 ○○が15歳未満につき
東京都中野区野方〇丁目〇番〇号
親権者 父 ○○○○
母 ○○○○」
⓴自宅、勤務先、携帯番号を記載します。審査官からの連絡は、携帯の欄に書かれた番号にかかってきます。もし携帯番号が変わった場合は、速やかに審査官に伝えるようにしましょう。
この記事では、帰化許可申請書の書き方について解説しました。
帰化許可申請書の作成は、意外と注意すべきポイントが多く、丁寧に作成する必要があることがお分かりいただけたかと思います。
もし、この記事を読んでも「書類を作成するのが難しい」、「仕事が忙しくて準備する時間がない」といったお悩みをお持ちの場合は、一人で抱え込まず、ぜひ帰化専門の行政書士にご相談ください。
かざはな行政書士事務所
代表行政書士
佐々本 紗織(ささもと さおり)
プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に興味を持ちました。その後、一念発起して行政書士試験を受験し、合格することができました。
2025年5月に、広島県東広島市で国際業務専門のかざはな行政書士事務所を開業しました。ビザ申請や帰化申請の代行サポート業務で、皆さんのお役に立つため、猛勉強の毎日です。
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