親族の概要の書き方について

投稿日:2025年8月19日

帰化申請をする際の必要書類の1つに「親族の概要」というものがあります。親族の概要は、申請者以外の親族の情報を記載するものです。決して難しい書類ではありませんが、注意すべきポイントがいくつかあります。

この記事では、親族の概要の書き方について、記載例とともに解説します。

1.親族の概要の基本的なルール

まず、親族の概要は、日本在住の親族と外国在住の親族に分けて作成する必要があります。作成方法は、手書きでもパソコンでも構いませんが、同じものを2部用意する必要があります。手書きで作成する場合は、1枚作成してそれをコピーして用意すれば大丈夫ですし、パソコンで作成する場合は、2部印刷すればよいです。帰化申請については、他の提出書類にも言えることですが、同じものを2部(正本と副本)提出する必要があるということを覚えておいてください。あと、手書きの場合は、修正液や修正テープを使用してはいけないことにも注意してください。

それから、記載しなければならない親族の範囲は、一般的に考えられる親族の範囲よりも広いです。具体的に言いますと、申請していない同居の親族のほか、申請者の配偶者(元配偶者含む)、親(養親含む)、子ども(養子含む)、兄弟姉妹、配偶者の両親、内縁の夫(妻)及び婚約者です。これらの親族については、死亡者についても記載する必要があります

なお、申請書の様式は住所地を管轄する法務局のHPからダウンロードして作成しましょう。参考に、当事務所がある広島法務局の様式を掲載しておきます。

2.親族の概要の書き方

それでは早速、親族の概要の記載例(出典:帰化許可申請のてびき)を見ながら、注意すべきポイントについて、確認していきましょう。

(1)日本在住の親族の概要

まずは日本在住の親族の概要について解説します。

❶日本在住の親族について記載していきますので、「日本」を選択します。

❷申請者と親族との関係を記載します。記載方法は以下のとおりです。
 配偶者:夫、妻
 元配偶者:前夫、前妻
 親:父、母
 子ども:長男、長女、二男、二女、三男、三女
 兄弟姉妹:兄、姉、弟、妹
 配偶者の親:夫の父(母)、妻の父(母)
 内縁の夫(妻):内縁の夫(妻)
 婚約者:婚約者
 親族:伯父、叔父、伯母、叔母、義兄、義弟、義姉、義妹(同居している場合のみ)
 ※両親が離婚している場合でも、両親についてそれぞれ記載が必要です。
 ※離婚した親が再婚した場合は、再婚相手が申請者と同居しているのみ、その再婚相手を記載します。

❸氏名は、氏、名の順番で漢字、ひらがな、カタカナで記載してください。アルファベットでの記載はできません。また、中国の簡略体漢字は、日本の正字に引き直して記載する必要があります。

❹生年月日は、日本の年号(大正・昭和・平成・令和)で記載してください

❺年齢は、帰化申請受理時点での年齢を記載します。よって、受理される日が決まった時に、年齢を確認し、記載するようにしましょう。

❻職業は、会社員、経営者、自営業、アルバイト等の記載で大丈夫です。細かく書く必要はありませんが、資格や免許を持った専門的な職業に就いている場合は、その職業名を書いてください(例:弁護士、医師、教師等)。また、定年退職した方や主婦(夫)の方は、「無職」と書きましょう。学生の場合は、「小学生、中学生、高校生、専門学校生、大学生」等と記載してください。小学校に入学する前のお子さんについては、「未就学」と記載します。

❼住所は、都道府県名から書き、番地まで記載してください。申請者と同居している場合は、「同居」と記載します。

❽交際状況については、時々であってもメールや電話等で連絡を取っている場合は「有」を選択してください。

❾帰化意思については、日本国籍の親族の場合は空欄にし、外国籍の親族の場合は選択肢のどちらかを選択してください。この欄は、あくまでも申請受理時の意思ですので、その後変わっても問題ありません。

❿申請者の帰化申請に対する意見についても、正直に選択してください。「反対」を選択している親族がいても、不利に扱われることはありませんので、安心してください。

⓫親族の中で、帰化した方がいる場合は、帰化の許可日を記載してください。帰化申請中の方がいる場合は、申請日を記載してください。添付書類として、その親族が帰化したことがわかる書類(例:戸籍謄本)を追加で提出する必要があります。

⓬親族の中で、亡くなった方がいる場合は住所の記載は不要です。死亡年月日を記載してください。

(2)外国在住の親族の概要

次に外国在住の親族の概要について解説します。

❶外国在住の親族について記載していきますので、「外国」を選択します。

❷外国の住所は国名から記載します。外国の証明書類では、地番から始まって最後に国名が書かれていることが多いですが、日本の住所の表記方法にならって、国名、省(州)、市等の順番に並び替える必要があります。また、国名には必ず「○○国」とする必要がありますので、注意してください。もし、住所の詳細が不明の場合は、「以下不明」と記載しても問題ありません。

❸帰化意思については、外国在住の外国人及び日本人は選択不要ですので、何も記載しないでください。

3.まとめ

この記事では、親族の概要の書き方について解説しました。
親族の概要の作成は、難しい箇所は多くありませんが、丁寧に作成する必要があることがお分かりいただけたかと思います。
もし、この記事を読んでも「書類を作成するのが苦手」、「仕事が忙しくて準備する時間がない」といったお悩みをお持ちの場合は、一人で抱え込まず、ぜひ帰化専門の行政書士にご相談ください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に興味を持ちました。その後、一念発起して行政書士試験を受験し、合格することができました。
2025年5月に、広島県東広島市で
国際業務専門のかざはな行政書士事務所を開業しました。ビザ申請や帰化申請の代行サポート業務で、皆さんのお役に立つため、猛勉強の毎日です。

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