投稿日:2026年1月8日
日本で暮らすカンボジア人は、2010年代頃から徐々に増えはじめ、最近では日本人とカンボジア人のカップルも増えてきました。一方で、多くの方が頭を悩ませるのが「国際結婚の手続き」です。両国の制度の違いもあり、どこから手を付ければよいのか分からないという声もよく聞かれます。
日本人とカンボジア人の国際結婚は、他国(中国やフィリピン等)とは異なる独自のルールが多く存在します。特に「日本で入籍すれば終わり」ではない点に注意が必要です。
この記事では、日本で先に手続きを進める場合(日本方式)とカンボジアで先に手続きを進める場合(カンボジア方式)、それぞれのパターンに沿って、必要な書類や手続きの流れを解説します。複雑に思える手続きも、1つずつクリアしていけば、必ずゴールにたどり着けます。この記事を参考に、スムーズに手続きを進めていきましょう。
カンボジア人との結婚の手続きを進めるにあたって、結婚できる年齢、再婚禁止期間等、注意すべきポイントがありますので、主なものをご紹介します。
その他にも、カンボジアは地域によって結婚のルールが異なるようですので、結婚を決められたら、カンボジアの役所等に確認しながら進めてください。
結婚予定のカンボジア人の方が、日本に在留している場合に選ばれる方法ですが、書類の取り寄せが最大の難関です。
最初に、日本人が住んでいる市区町村役場に結婚手続きに必要な書類を確認します。役場によって、必要な書類が異なる場合がありますので、必ず確認してください。なお、一般的によく求められる書類は以下のとおりです。
【日本人が用意するもの】
【カンボジア人が用意するもの】
婚姻届の記入方法について、カンボジア人の氏名は、パスポートのアルファベットをカタカナに直して記入しますが、苗字と名前の順序や、独特の読み(Jを発音しない等)で混乱が生じやすいです。事前に役場で下書き確認(事前審査)をしてもらいましょう。
カンボジアの場合、駐日カンボジア王国大使館が婚姻要件具備証明書を発行しないため、その代わりに本国から独身証明書と出生証明書を取り寄せる必要があります。加えて、「駐日カンボジア王国大使館では婚姻要件具備証明書を発行していないため、代わりに独身証明書を提出します」という旨を説明する申述書も提出する必要があります。
次に、結婚予定のカンボジア人が住民登録している本国の役所(サンカット)で、独身証明書と出生証明書の取得申請をします。この手続きは、本国に住んでいる家族が代理申請することも可能です。申請に必要な書類は役所に確認してください。
独身証明書等を取得した後は、プノンペンにある外務省(MFA)で認証を受ける必要があります。詳しい手続きは、外務省に直接確認してください。
無事、認証を受けた独身証明書、出生証明書を取得できたら、その翻訳文も準備して、お住まいの市区町村役場で婚姻届と必要書類を提出します。この手続きで、日本における婚姻関係の手続きは完了し、日本では法的に婚姻関係が成立します。ですが、カンボジアの場合は本国式の婚姻手続きをしなければ効力が発生しません。
※本国式の婚姻手続きについては、カンボジアから先に手続きする場合の手続きと同様のため、カンボジアで先に手続きする場合の(1)~(6)を参考にしてください。
上記手続きが完了すると、入管に配偶者ビザ申請をするのに必要な「婚姻証明書」を取得することができます。
カンボジア人との国際結婚が成立したら、配偶者ビザへの変更許可申請又は認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。
中長期の在留資格を持つ方が変更許可申請を行う場合についてはこちらを、短期滞在ビザ(90日)から手続きを行う場合はこちらをご覧ください。
配偶者ビザには様々なメリットがあります。例えば、配偶者ビザは、就労制限が無く、自由に働くことができます。アルバイトだけでなく、正社員や会社経営等、様々な働き方をすることができます。また、永住権の取得についても、配偶者ビザの方は要件が緩和されており、永住申請しやすいです。
とは言え、配偶者ビザは審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
結婚予定のカンボジア人の方がカンボジアに在住している場合は、カンボジアでの手続きを先に進めた方がスムーズです。
まず、結婚予定の日本人がカンボジアでの結婚の条件を満たしていることを証明する書類(独身証明書)又は日本での結婚が法的に成立していることを証明する書類(婚姻証明書)が必要です。加えて、日本人の犯罪歴の有無を証明する警察証明書も必要となります。これらの書類は、在カンボジア日本国大使館で取得できます。独身証明書等を取得するために必要とされる一般的な書類等は、以下のとおりです。
【独身証明書】
【婚姻証明書】
【警察証明書】
独身証明書や婚姻証明書は、窓口申請した翌開館日に交付されますが、警察証明書は1~2ヶ月ほどかかりますので、カンボジアに渡航したら最初に手続きすることをおすすめします。もし、3ヶ月以上カンボジアに滞在しない場合は、日本の県警本部で警察証明書を取得し、日本の外務省で公印確認を受けてから、カンボジアに渡航されることをおすすめします。なお、警察証明書の入った封筒は絶対に開封しないでください。 警察証明書は『未開封』であることが絶対条件です。外務省の公印確認も封筒に押印されます。
次に、カンボジア人が住民登録している役所(サンカット)で、独身証明書と出生証明書を取得をします。取得申請に必要な書類は役所に確認してください。
続いて、カンボジア人のパートナーと一緒に、「カンボジア内務省が指定・認容する国立病院」で結婚手続き用に健康診断を受診します。なお、病院については、地方の病院でも可能な場合がありますが、外務省や内務省の審査で「この病院の診断書ではダメだ」と言われるリスクを避けるため、以下の病院で行うのが最もスムーズです。
カラメット病院 (Calmette Hospital)
また、受診のタイミングですが、診断書の有効期限は一般的に3ヶ月です。カンボジアの婚姻審査(外務省・内務省)は時間がかかるため、あまりに早く取りすぎると、審査中に期限が切れて再受診を求められる「二度手間」が発生します。よって、他の書類が揃い、カンボジア外務省へ申請する直前に受診するのがベストです。
続いて、カンボジア外務省法務領事局(Legal & Consular Department, Ministry of Foreign Affairs and International Cooperation)に以下の書類を提出します。
【日本人が用意するもの】
【カンボジア人が用意するもの】
カンボジア外務省で書類の審査や面接を受け、通過すると、書類一式が返却されます(所要日数:約5日)。その後、今度はカンボジア内務省に、返却された書類一式を提出し、審査や面接を受けます。こちらの審査等を通過すると、再び書類一式が返却されます(所要日数:約5日)。
カンボジア内務省より返却された書類一式を持って、カンボジア人が居住する地元の役所で、婚姻許可の申請をします。役所の登記官が申請の審査を行います。審査を通過すれば、晴れてカンボジアでの結婚が成立し、「婚姻証明書」が発行されます。
カンボジアで結婚が成立したら、その事実を日本の戸籍に反映させるための手続きを行います(先に日本で手続きを完了した方は不要)。お住まいの市区町村役場か在カンボジア日本国大使館で3ヶ月以内に手続きを行いましょう。日本の役場で手続きをした方が、戸籍に婚姻事実が記載されるまでの時間が短いため(1週間程度)、おすすめですが、引き続きカンボジアに滞在する場合は、在カンボジア日本国大使館で手続きを行うこともできます。ただし、婚姻事実が記載されるまでに1~2か月ほどかかりますので、注意してください。日本の役場への報告的届出に際して、必要とされる一般的な書類は以下のとおりです(必ず届出を行う役場に事前に確認してください)。
この手続きが完了して初めて、日本でも法的に婚姻が成立したことになります。
カンボジア人との国際結婚が成立し、カンボジア人配偶者と日本で暮らす場合は、カンボジア人配偶者を日本に呼び寄せるために、配偶者ビザの認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。詳しくはこちらをご覧ください(この手続きで婚姻の記載がある戸籍謄本を求められるため、日本国内の役場で報告的届出をした方がスムーズに手続きできます)。
配偶者の呼び寄せについても、審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
この記事では、日本人とカンボジア人の国際結婚手続きについて、日本で先に進める場合とカンボジアで先に進める場合、それぞれの流れを詳しく解説しました。
この2つのケースを比較すると、日本で先に手続きを進めても、結局カンボジアでの手続きが省略されることはないため、カンボジアで先に手続きを進めた方が、時間はかからない傾向にあります。よって、もし結婚の手続きを急がれるようでしたら、カンボジアで先に婚姻手続きを完了させることをおすすめします。お二人の結婚手続きが円滑に進み、新しい生活が素晴らしいものになることを心より願っております。
結婚手続き完了後には、外国人配偶者の方が日本で安定して暮らすために不可欠な配偶者ビザの申請という大切なステップが控えています。このビザ申請には、複雑な書類作成と厳格な審査が伴います。
当事務所では、日本人とカンボジア人の国際結婚後の配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」)申請について、書類作成から申請代行までトータルでサポートしております。お二人が安心して新生活をスタートできるよう、確かな知識でサポートいたします。ビザ申請に関してお困りの際やご不安な点がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
かざはな行政書士事務所
代表行政書士
佐々本 紗織(ささもと さおり)
プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。
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