監理支援機関が知っておくべき
「育成就労外国人」の採用条件と在留歴の制限

投稿日:2026年4月9日

2027年4月からスタートする育成就労制度では、従来の技能実習制度とは異なり、「人材確保」と「特定技能1号水準への育成」が目的となります。これに伴い、受け入れられる外国人の条件も整理されました。

この記事では、監理支援機関の皆様が実務で直面する「誰を育成就労外国人として雇用できるのか」という条件を分かりやすく解説します。

1.育成就労外国人になれる基本の5要件

育成就労外国人として雇用されるためには、外国人本人が以下の要件を満たす必要があります。

  1. 年齢:育成就労開始時点で18歳以上であること(学歴は問われません)
  2. 健康状態:心身ともに良好で、安定的に就労できること
  3. 素行:母国内外(日本を含む)での生活において、犯罪歴(拘禁刑又はこれに相当する刑に処せられたこと)等が無いこと
  4. 国籍:「日本からの強制退去に協力しない国」であるイラン・イスラム共和国の外国人ではないこと。
  5. 日本語能力:就労を開始するまでに、日本語教育参照枠A1相当(日本語能力試験N5程度)の試験に合格するか、認定日本語教育機関等で100時間以上の講習を修了していること

2.過去に「特定技能」だった人は雇用できる?

監理支援機関が最も注意すべきなのが、特定技能制度との連続性です。

  • 原則としてキャリアダウンは不可:育成就労制度は「特定技能1号」へのステップアップを前提とした制度です。そのため、既に特定技能外国人として活動していた者が、育成就労に戻ることは原則として想定されていません
  • 具体的な制限:以下のいずれかに該当する場合は、原則として育成就労の対象外となります
    育成就労を行わせようとする業務区分と同一の区分で、特定技能外国人として就労した経験がある場合。
    既に「特定技能1号」の在留資格で、上限である通算5年の在留してしまった場合。

3.「技能実習生」だった人の再チャレンジは可能?

元技能実習生が育成就労外国人として再度受け入れられる場合、以下のルールが適用されます。

  • 実習期間の通算: 過去に技能実習を行っていた期間は、「育成就労を行っていた期間」とみなされます
  • 異なる分野での再入国制限: すでに年以上の技能実習を修了した者が、再度来日して「技能実習時代とは異なる分野」で育成就労として働くことは、原則として認められません 。
  • 同一分野での扱い: 技能実習2号を良好に修了した者は、特定技能1号へ移行する技能を持っているとみなされます。そのため、改めて育成就労(3年間)をやり直すことは制度の趣旨になじまず、基本的には特定技能1号へ移行すべきものとされています。
  • 例外的なケース: 過去の技能実習計画の目標試験(技能検定等)が、現在の育成就労産業分野の目標として指定されていない場合等、特定の条件下では、過去の期間を考慮せずに育成就労を行わせるための認定申請が可能な場合があります

4.過去に「育成就労」だった人が再チャレンジする場合は?

育成就労を経験して一度帰国した外国人が、再度この在留資格で来日する場合、「同一の業務区分か」「異なる業務区分か」によってルールが大きく異なります。

(1)同一の業務区分で再チャレンジする場合
  • 通算期間の制限: 育成就労の期間は、同一の業務区分において原則として通算3年が上限です
  • 残余期間の実施: 再入国して同一業務に従事する場合、新たな育成就労計画で認められる期間は、3年から「過去に同一業務区分で活動した期間」を差し引いた、残りの期間のみとなります
  • 延長期間の扱い: 試験不合格等の理由で期間を延長(最大1年)していた者が再入国する場合も、その延長された期間の残りの範囲内でしか育成就労を行わせることはできません
(2)異なる業務区分で再チャレンジ(やり直し)する場合

過去に育成就労を途中で断念して帰国した人が、別の分野で「3年間」の育成就労をやり直す(新規申請する)には、以下の全ての要件を満たす必要があります。

  • 在留資格の喪失: 出国(再入国許可のない単純出国や許可の失効)により、既に「育成就労」の在留資格を失っていること
  • 過去の通算期間の制限: 過去に育成就労の対象となっていた期間(業務区分を問わない全合計)が、通算で2年以内であること
  • やむを得ない事情: 過去の育成就労を継続できなかった理由として、業務とのミスマッチや負傷等、やむを得ない事情があると認められること

5.まとめ

育成就労制度は、特定技能制度への「一方向のキャリアパス」を明確にしています。過去の在留歴や職種、在留期間の通算ルールは非常に複雑であり、誤った判断で申請をすると不許可のリスクだけでなく、監理支援機関としての適格性が問われる可能性もあります。

当事務所と外部監査人の顧問契約を結んでいただいた監理支援機関様には、本人要件の適合性に関するアドバイスも可能です。新制度下での確実な運営と、スムーズな申請業務のために、専門家の知見をぜひご活用ください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。

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