投稿日:2025年12月25日
「愛するパキスタン人のパートナーと結婚して、日本で一緒に暮らしたい」 そう決心したものの、いざ手続きを調べ始めると、聞き慣れない書類や複雑なステップに戸惑ってしまう方は少なくありません。
特に、日本人とパキスタン人の国際結婚は、どちらの国で先に手続きを進めるかによって、必要書類や流れが大きく変わります。
具体的には、
パキスタンで先に手続きをする場合
の2つのパターンが存在します。
この記事では、それぞれのパターンに沿って、必要な書類や手続きの流れを解説します。複雑に思える手続きも、1つずつクリアしていけば、必ずゴールにたどり着けます。この記事を参考に、スムーズに手続きを進めていきましょう。
まずはじめに、結婚の手続きを進めるにあたって、自分や相手が結婚できる年齢であるかどうかを確認する必要があります。国によって、結婚できる年齢が異なるため、とても重要な確認事項です。
日本人とパキスタン人との国際結婚の場合、日本人は、男女ともに18歳以上であることが求められますが、パキスタン人は、男性21歳以上、女性18歳以上であることが求められます。
また、パキスタンではイスラム教徒の男性に限り、条件付きで一夫多妻が認められていますが、日本は重婚を禁止しているため、日本国籍のままパキスタン人と結婚して、一夫多妻関係になることは日本の法律で認められません。ですが、パキスタンで先に手続きをして重婚した場合、日本の役所は報告的届出として婚姻届を受理せざるを得ないとされています。一方、日本で先に手続きをする場合、日本の重婚禁止規定が適用されるため、一夫多妻の婚姻届は受理されません。
なお現時点で、同性婚については両国とも認めていません。
結婚予定のパキスタン人の方が、日本に在留している場合は、日本での手続きを先に進めた方がスムーズです。まずは日本で先に手続きする場合について解説します。
最初に、日本人が住んでいる市区町村役場に結婚手続きに必要な書類を確認します。役場によって、必要な書類が異なる場合がありますので、必ず確認してください。なお、一般的によく求められる書類は以下のとおりです。
【日本人が用意するもの】
【パキスタン人が用意するもの】
パキスタンは、婚姻要件具備証明書を発行しない国です。そのため、「宣誓供述書」を代わりに提出し、手続きを進める形となります。なお、宣誓供述書はパキスタンの公証役場等で本人が独身である旨を宣誓し、パキスタン外務省のアポスティーユを受けたものを提出します。
なお、パキスタン人のパートナーに離婚歴がある場合は、離婚証明書(パキスタン外務省のアポスティーユを受けたもの)とその日本語翻訳文も併せて提出する必要があります。
無事結婚の手続きが終わったら、婚姻届受理証明書と婚姻の事実が記載された戸籍謄本を取得します。これらの書類について、外務省の公印確認を受けておきます。
続いて、公印確認を受けた婚姻届受理証明書と戸籍謄本について英訳文を作成し、今度はその英訳文と共に婚姻届受理証明書等を提出し、駐日パキスタン大使館の領事認証を受けます。
パキスタン側の手続きを有効にするため、日本国内のモスクで結婚式(Nikah)を行い、「結婚証明書(Nikah Nama)」を発行してもらいます。注意点として、多くのモスクでは、日本人のパートナーがイスラム教へ入信(改宗)していることが条件となります。また、モスクによって必要書類が異なりますので、必ず結婚式を行う予定のモスクに確認してください。
【一般的に求められる書類等】
無事、モスクでの結婚式も終えたら、駐日パキスタン大使館に結婚の報告を行います。
一般的には、婚姻届受理証明書、婚姻の事実が記載された戸籍謄本やパスポート、日本語の書類の英訳文、証明写真、モスクの結婚証明書が必要となります。なお、先ほど説明したとおり、婚姻届受理証明書と戸籍謄本には外務省の公印確認と駐日パキスタン大使館の領事認証が必要となります。状況によって求められる書類が追加されることもありますので、事前に大使館へ確認してください。
上記手続きが完了すると、入管に配偶者ビザ申請をするにあたって必要な「婚姻証明書」を取得することができます。
パキスタン人との国際結婚が成立したら、配偶者ビザへの変更許可申請又は認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。
中長期の在留資格を持つ方が変更許可申請を行う場合についてはこちらを、短期滞在ビザ(90日)から手続きを行う場合はこちらをご覧ください。
配偶者ビザには様々なメリットがあります。例えば、配偶者ビザは、就労制限が無く、自由に働くことができます。アルバイトだけでなく、正社員や会社経営等、様々な働き方をすることができます。また、永住権の取得についても、配偶者ビザの方は要件が緩和されており、永住申請しやすいです。
とは言え、配偶者ビザは審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
結婚予定のパキスタン人の方がパキスタンに在住している場合は、パキスタンでの手続きを先に進めた方がスムーズです。ここからは、パキスタンで先に結婚手続きをする場合について解説します。
まず、結婚予定の日本人がパキスタンでの結婚の条件を満たしていることを証明する書類(婚姻要件具備証明書)が必要です。婚姻要件具備証明書は、在パキスタン日本国大使館に本人が出頭し、手続きをすることで取得できます。婚姻要件具備証明書を取得するために必要とされる一般的な書類等は以下のとおりですが、事前に必ず確認してください。
申請の翌日に交付されます。
パキスタン人のパートナーの居住地を管轄する裁判所等で婚姻を申請します。結婚されるカップルに加えて、2人の証人も同行し、結婚証明書(Nikah Nama)に署名する必要があります。なお、一般的に求められる書類は以下のとおりですが、必ず事前に確認してください。
手続きが完了すると、市民登録局(NADRA)で電子化された正式な婚姻証明書が発行されます。これが後の手続きで必要となります。
パキスタンで結婚が成立したら、その事実を日本の戸籍に反映させるための手続きを行います。お住まいの市区町村役場か在パキスタン日本国大使館で3ヶ月以内に手続きを行いましょう。日本の役場で手続きをした方が、戸籍に婚姻事実が記載されるまでの時間が短いため(1週間程度)おすすめですが、引き続きパキスタンに滞在する場合は、在パキスタン日本国大使館で手続きを行うこともできます。ただし、婚姻事実が記載されるまでに1~1ヶ月半ほどかかりますので、注意してください。
日本の役場への報告的届出に際して、必要とされる一般的な書類は以下のとおりです(必ず届出を行う役場に事前に確認してください)。
この手続きが完了して初めて、日本でも法的に婚姻が成立したことになります。
パキスタン人との国際結婚が成立し、パキスタン人配偶者と日本で暮らす場合は、パキスタン人配偶者を日本に呼び寄せるために、配偶者ビザの認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。詳しくはこちらをご覧ください(この手続きで婚姻の記載がある戸籍謄本を求められるため、日本国内の役場で報告的届出をした方がスムーズに手続きできます)。
配偶者の呼び寄せについても、審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
この記事では、日本人とパキスタン人の国際結婚手続きについて、日本で先に進める場合とパキスタンで先に進める場合、それぞれの流れを詳しく解説しました。
この2つのケースを比較すると、
結婚予定のパキスタン人がパキスタン在住なら、パキスタンで先に手続き
が、全体的な流れとしてスムーズである場合が多いですが、お二人でしっかり相談して、どちらで先に手続きをされるか、決められるとよいと思います。どのような道を選ばれるにしても、お二人の結婚手続きが円滑に進み、新しい生活が素晴らしいものになることを心より願っています。。
結婚手続き完了後には、外国人配偶者の方が日本で安定して暮らすために不可欠な配偶者ビザの申請という大切なステップが控えています。このビザ申請には、複雑な書類作成と厳格な審査が伴います。
当事務所では、日本人とパキスタン人の国際結婚後の配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」)申請について、書類作成から申請代行までトータルでサポートしております。お二人が安心して新生活をスタートできるよう、確かな知識でサポートいたします。ビザ申請に関してお困りの際やご不安な点がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
かざはな行政書士事務所
代表行政書士
佐々本 紗織(ささもと さおり)
プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。
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