イタリア人との国際結婚の手続きについて

投稿日:2026年1月30日

「愛するイタリア人のパートナーと結婚して、日本で一緒に暮らしたい」 そう決心したものの、いざ手続きを調べ始めると、聞き慣れない書類や複雑なステップに戸惑ってしまう方は少なくありません。

特に、日本人とイタリア人の国際結婚は、どちらの国で先に手続きを進めるかによって、必要書類や流れが大きく変わります。

具体的には、

  • 日本で先に手続きをする場合
  • イタリアで先に手続きをする場合

の2つのパターンが存在します。

この記事では、それぞれのパターンに沿って、必要な書類や手続きの流れを解説します。複雑に思える手続きも、1つずつクリアしていけば、必ずゴールにたどり着けます。この記事を参考に、スムーズに手続きを進めていきましょう。

1.結婚できる年齢等について

ずはじめに、結婚の手続きを進めるにあたって、自分や相手が結婚できる年齢であるかどうかを確認する必要があります。国によって、結婚できる年齢が異なるため、とても重要な確認事項です。

日本人とイタリア人との国際結婚の場合、日本もイタリアも、法律で男女ともに18歳以上であることを定めていますので、18歳以上の男女であれば結婚可能です。ただし、イタリアでは、16歳以上18歳未満でも両親の同意又は裁判所の許可があれば結婚可能となります。

また、イタリアでは、女性は前婚(前夫との婚姻)の解消又は取消しの日から、300日間の再婚禁止期間が定められています。これは前夫との子どもの親権混乱を避けるための制度ですが、300日以内に出産した場合はこの期間が終了します。 

なお現時点で、同性婚については両国とも認めていません。

2.日本で先に手続きをする場合

結婚予定のイタリア人の方が、日本に在留している場合は、日本での手続きを先に進めた方がスムーズです。まずは日本で先に手続きする場合について解説します。

(1)お住まいの市区町村役場に必要書類を確認し、提出する

最初に、日本人が住んでいる市区町村役場に結婚手続きに必要な書類を確認します。役場によって、必要な書類が異なる場合がありますので、必ず確認してください。なお、一般的によく求められる書類は以下のとおりです。

【日本人が用意するもの】

  • 婚姻届
  • 写真付きの身分証明書(パスポートや運転免許証等)

【イタリア人が用意するもの】

  • 婚姻要件具備証明書とその日本語翻訳文
  • パスポート
  • 在留カード ※短期滞在ビザ(ノービザ)で来日している場合は不要
(2)駐日イタリア大使館等で婚姻要件具備証明書を取得する

次に、結婚予定のイタリア人が住んでいる(短期滞在の場合は、結婚予定の日本人が住んでいる)地域を管轄する駐日イタリア大使館又は総領事館に連絡し、婚姻要件具備証明書(Nulla Osta)を取得するために必要な書類等を確認します。その後、予約サイトで事前に来館予約を取ります。
予約日当日になったら、その必要書類を持って駐日イタリア大使館又は総領事館に、イタリア人本人が出向き、直接手続きをして証明書を取得します(郵送請求も可能です)。以下は、一般的に求められる必要書類となります(管轄する公館によって異なる場合がありますので、HPや電話で必ず確認してください)。

【一般的な必要書類】

  • イタリア人のパスポート
  • イタリア人の出生証明書 ※イタリアの市役所(Comune)が発行したもの
  • 日本人のパスポートのコピー
  • 日本人の戸籍謄本 ※3ヶ月以内に発行されたもの

  • 申請書 ※大使館等にあります

(3)お住まいの市区町村役場に婚姻届等を提出する

無事、婚姻要件具備証明書を取得できたら、その翻訳文も準備して、お住まいの市区町村役場で婚姻届と必要書類を提出します。この手続きで、日本における婚姻関係の手続きは完了です。
ですが、イタリアに結婚の報告をする必要があるため、その手続きで求められる婚姻届受理証明書を取得したい旨も併せて窓口で伝えましょう。基本的には即日発行される書類です。

(4)駐日イタリア大使館・総領事館に婚姻届受理証明書等を提出する

日本で先に結婚手続きを行った場合、その事実をイタリア政府に報告する必要があります。
管轄の駐日イタリア大使館・総領事館に以下の書類を提出することで、報告的手続きが完了します(郵送申請も可能)。

  • 婚姻報告申請書 ※大使館等にあります
  • 婚姻届受理証明書 ※3ヶ月以内に発行されたもので、日本外務省のアポスティーユ認証を受けたもの
  • 婚姻届受理証明書のイタリア語翻訳文 ※業者に依頼しても、自分たちで翻訳しても大丈夫です
  • 夫婦のパスポートのコピー

必要書類はおおむね上記の書類とされていますが、変更される場合もありますので、事前に必ず確認してください。

(5)入管に配偶者ビザの申請をする

イタリア人との国際結婚が成立したら、配偶者ビザへの変更許可申請又は認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。
中長期の在留資格を持つ方が変更許可申請を行う場合についてはこちらを、短期滞在ビザから手続きを行う場合はこちらをご覧ください。

配偶者ビザには様々なメリットがあります。例えば、配偶者ビザは、就労制限が無く、自由に働くことができます。アルバイトだけでなく、正社員や会社経営等、様々な働き方をすることができます。また、永住権の取得についても、配偶者ビザの方は要件が緩和されており、永住申請しやすいです。
とは言え、配偶者ビザは審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。

3.イタリアで先に手続きを進める場合

続いて、イタリアで先に結婚手続きをする場合について解説します。結婚予定のイタリア人の方が、イタリアに住んでいる場合は、こちらの方式で進める方がスムーズです・・と言いたいところですが、実はイタリアで先に手続きを進める場合は、日本で先に手続きを進める場合よりも時間がかかります。よって、お二人で相談してどちらの国で先に手続きを進めるか、決められると良いと思います。

(1)日本人の婚姻要件具備証明書等を取得する

まず、結婚予定の日本人がイタリアでの結婚の条件を満たしていることを証明する書類(婚姻要件具備証明書)が必要です。婚姻要件具備証明書は、在イタリア日本国大使館又は総領事館に本人が出頭し、手続きをすることで取得できます。婚姻要件具備証明書を取得するために必要とされる一般的な書類等は、以下のとおりですが、必ず事前に大使館に確認してください。

  • 申請書(窓口にあります)
  • 日本人の戸籍謄本 ※発行から3ヶ月以内のもの
  • 日本人のパスポート
  • イタリア人のパスポート又はIDカード
  • 手数料

用意した戸籍謄本で証明書の発行ができるか、事前に確認することができるようです。心配な場合は、FAXで戸籍謄本を在イタリア日本国大使館領事班宛に送って確認してもらいましょう。FAX送信後、電話で確認してください。
(電話:06-487991、FAX:06-4201-4998)

(2)県庁で婚姻要件具備証明書を認証してもらう

在イタリア日本国大使館等で発行された証明書は、県庁(PREFETTURA)での認証が必要となります。
発行された証明書、印紙、身分証明書等の必要書類を揃えて、県庁で認証申請をしてください。印紙代等の詳細は、手続きをする県庁に直接お問い合わせください。
なお、大使館で発行した証明書はトスカーナ州以南、総領事館で発行した証明書はエミリア・ロマーナ州以北の主な県庁で認証を受けることができます。
手続きをする県庁において認証が受けられるかどうかは、証明書を受け取る際に大使館等の窓口で確認してください。

(3)結婚の公示の申請をする

市役所(Comune)に2人で出頭し、結婚の宣誓を行います。その際、日本人の婚姻要件具備証明書やパスポート、イタリア人の身分証明書等を提出します(必要書類は事前に必ず確認してください)。

申請が受理されると、市役所の掲示板に2人の結婚が8日間公示されます。この期間に異議がなければ結婚可能となります。

(4)結婚式を挙げる

公示期間経過後、結婚式の日程を決定します。
結婚式は、市長又は代理人の前で、通訳と2人以上の証人の立ち会いのもと、執り行います。ここで結婚の意思を宣誓することで、法的に婚姻が成立します。

手続きが完了すると、市役所から「婚姻証明書 (Certificato di Matrimorio)」が発行されます。

(5)日本の役場へ報告的届出を行う

イタリアで結婚が成立したら、その事実を日本の戸籍に反映させるための手続きを行います。お住まいの市区町村役場か在イタリア日本国大使館等で3ヶ月以内に手続きを行いましょう。日本の役場で手続きをした方が、戸籍に婚姻事実が記載されるまでの時間が短いため(1週間程度)、おすすめですが、引き続きイタリアに滞在する場合は、在イタリア日本国大使館等で手続きを行うこともできます。ただし、婚姻事実が記載されるまでに2ヶ月ほどかかりますので、注意してください。日本の役場への報告的届出に際して、必要とされる一般的な書類は以下のとおりです(必ず届出を行う役場に事前に確認してください)。

  • 婚姻届 
  • 婚姻証明書とその日本語翻訳文(翻訳文の参考ひな型はこちら)※婚姻証明書は3ヶ月以内に発行されたもの
  • イタリア人の国籍証明書と日本語翻訳文(翻訳文の参考ひな型はこちら)※国籍証明書は3ヶ月以内に発行されたもの

この手続きが完了して初めて、日本でも法的に婚姻が成立したことになります。

(6)入管に配偶者ビザの認定証明書交付申請をする

イタリア人との国際結婚が成立し、イタリア人配偶者と日本で暮らす場合は、イタリア人配偶者を日本に呼び寄せるために、配偶者ビザの認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。詳しくはこちらをご覧ください(この手続きで婚姻の記載がある戸籍謄本を求められるため、日本国内の役場で報告的届出をした方がスムーズに手続きできます)。
配偶者の呼び寄せについても、審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。

4.まとめ

この記事では、日本人とイタリア人の国際結婚手続きについて、日本で先に進める場合とイタリアで先に進める場合、それぞれの流れを詳しく解説しました。
この2つのケースを比較すると、日本で先に手続きを進める方が、時間はかかりません。よって、もし結婚の手続きを急がれるようでしたら、イタリア人は90日間の短期滞在であればノービザで来日できるため、日本で先に婚姻手続きを完了させることをおすすめします。お二人の結婚手続きが円滑に進み、新しい生活が素晴らしいものになることを心より願っております。

結婚手続き完了後には、外国人配偶者の方が日本で安定して暮らすために不可欠な配偶者ビザの申請という大切なステップが控えています。このビザ申請には、複雑な書類作成と厳格な審査が伴います。
当事務所では、日本人とイタリア人の国際結婚後の配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」)申請について、書類作成から申請代行までトータルでサポートしております。お二人が安心して新生活をスタートできるよう、確かな知識でサポートいたします。ビザ申請に関してお困りの際やご不安な点がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。

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