イギリス人との国際結婚の手続きについて

投稿日:2026年1月5日

「愛するイギリス人のパートナーと結婚して、日本で一緒に暮らしたい」 そう決心したものの、いざ手続きを調べ始めると、聞き慣れない書類や複雑なステップに戸惑ってしまう方は少なくありません。

特に、日本人とイギリス人の国際結婚は、どちらの国で先に手続きを進めるかによって、必要書類や流れが大きく変わります。

具体的には、

  • 日本で先に手続きをする場合
  • イギリスで先に手続きをする場合

の2つのパターンが存在します。

この記事では、それぞれのパターンに沿って、必要な書類や手続きの流れを解説します。複雑に思える手続きも、1つずつクリアしていけば、必ずゴールにたどり着けます。この記事を参考に、スムーズに手続きを進めていきましょう。

1.結婚できる年齢等について

まずはじめに、結婚の手続きを進めるにあたって、自分や相手が結婚できる年齢であるかどうかを確認する必要があります。国によって、結婚できる年齢が異なるため、とても重要な確認事項です。

日本人とイギリス人との国際結婚の場合、日本人は、男女ともに18歳以上であることが求められますが、イギリス人は、男女ともに16歳以上であれば結婚することができます。ただし、18歳未満の場合は親の同意が必要です。

なお、イギリスでは同性婚が認められていますが、日本では認められていないため、イギリスで日本人とイギリス人の同性婚が成立していても、日本では配偶者ビザを取得することができません。

2.日本で先に手続きをする場合

結婚予定のイギリス人の方が、日本に在留している場合は、日本での手続きを先に進めた方がスムーズです。まずは日本で先に手続きする場合について解説します。

(1)お住まいの市区町村役場に必要書類を確認し、提出する

最初に、日本人が住んでいる市区町村役場に結婚手続きに必要な書類を確認します。役場によって、必要な書類が異なる場合がありますので、必ず確認してください。なお、一般的によく求められる書類は以下のとおりです。

【日本人が用意するもの】

  • 婚姻届
  • 写真付きの身分証明書(パスポートや運転免許証等)

【イギリス人が用意するもの】

  • 婚姻要件具備証明書とその日本語翻訳文
  • パスポート
  • 在留カード ※短期滞在ビザ(ノービザ)で来日している場合は不要

※婚姻要件具備証明書について
現在、駐日英国大使館等で発行される書類は、正確には以下のどちらかになります。

  • 婚姻要件宣誓書 (Affirmation of Marital Status) :無宗教の場合
  • 婚姻要件供述書 (Affidavit of Marital Status) :宗教的な誓いを行う場合

日本の役所ではこれらを総称して「婚姻要件具備証明書」として扱います。まずは、お二人が行こうとしている市区町村役場に、「大使館発行の Affirmation/Affidavit で受理可能か」を念のため事前に電話で確認しておくと、よりスムーズです。

(2)駐日英国大使館等で婚姻要件具備証明書を取得する

次に、駐日英国大使館又は在大阪英国総領事館で婚姻要件具備証明書を取得するために、手続きを進めます。一般的な手続きの流れは次のとおりです。

  1. 駐日英国大使館の専用ページにアクセスする
  2. オンラインで申請と支払いをする
    画面の指示に従って、イギリス人側の情報やパスポート、出生証明書等のデータをアップロードし、手数料をクレジットカード等で支払います。このオンライン申請には約35分ほどかかります。

  3. 来館予約を取る
    オンライン申請・支払いが完了すると、東京の大使館または大阪の総領事館の予約ページ(カレンダー)に進めるようになります。
    ☝ 書類の審査に時間がかかるため、オンライン申請をした日から「7日以上先」の日程で予約を取るよう推奨されています。また、予約可能な曜日は、基本的に火曜日と水曜日のみです。

 

【来館当日の持ち物】

オンラインでアップロードした書類であっても、当日はすべての原本を持っていく必要があります。また、大使館の領事の目の前で宣誓書又は供述書に署名をしなければならないため、イギリス人本人が来館する必要があります。

  • イギリス人のパスポート

  • 婚姻要件宣誓書又は供述書 ※署名欄は空欄のままにしておいてください

  • イギリス人の出生証明書(Full Birth Certificate)

  • 日本人の戸籍謄本 ※3ヶ月以内に発行されたもの

  • イギリス人の住所を証明するもの(在留カードや運転免許証等)

  • 【離婚歴がある場合のみ】離婚届受理証明書等の原本

(3)お住まいの市区町村役場に婚姻届等を提出する

無事、宣誓書又は供述書を取得できたら、その翻訳文も準備して、お住まいの市区町村役場で婚姻届と必要書類を提出します。この手続きで、日本における婚姻関係の手続きは完了です。

日本の法律に基づいて行われた結婚の手続きは、イギリスでも法的に有効とみなされます。よって、英国大使館に報告的届出をする必要はありません。なお、日本の市区町村役場で発行された婚姻届受理証明書が結婚の証明書となります。入管からイギリスの公的機関が発行した結婚証明書を求められても、該当する書類はありませんので、その旨を書いた理由書を添付する形となります。

(4)入管に配偶者ビザの申請をする

イギリス人との国際結婚が成立したら、配偶者ビザへの変更許可申請又は認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。
中長期の在留資格を持つ方が変更許可申請を行う場合についてはこちらを、短期滞在ビザから手続きを行う場合はこちらをご覧ください。

配偶者ビザには様々なメリットがあります。例えば、配偶者ビザは、就労制限が無く、自由に働くことができます。アルバイトだけでなく、正社員や会社経営等、様々な働き方をすることができます。また、永住権の取得についても、配偶者ビザの方は要件が緩和されており、永住申請しやすいです。
とは言え、配偶者ビザは審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。

3.イギリスで先に手続きを進める場合

続いて、イギリスで先に結婚手続きをする場合について解説します。結婚予定のイギリス人の方が、イギリスに住んでいる場合は、こちらの方式で進める方がスムーズです・・と言いたいところですが、実はイギリスで先に手続きを進める場合は、日本で先に手続きを進める場合よりも時間がかかります。よって、お二人で相談してどちらの国で先に手続きを進めるか、決められると良いと思います。

(1)日本人の結婚訪問ビザを取得する

日本から渡英して手続きを進める場合、観光ビザで入国しても結婚の手続きを進めることはできません。イギリスで結婚式だけ挙げて、その後日本に帰るためには「結婚訪問ビザ(Marriage Visitor visa)」を取得する必要があります。

結婚訪問ビザは「イギリスで法的に結婚する許可」を得るためのもので、最大6ヶ月間滞在できますが、ビザの延長や居住用ビザへの切り替えはできないのが最大の特徴です。渡英予定日の3ヶ月前から申請可能です。また、オンラインで申請後、日本のイギリスビザ申請センター(東京又は大阪)に足を運び、指紋採取と写真撮影(バイオメトリクス登録)を行います。

取得の流れや必要書類は次のとおりです。

  1. オンライン申請: 駐日英国大使館の公式サイトでアカウントを作成し、フォームに入力する

  2. 料金の支払い: 申請料(2026年現在の目安:約115ポンド〜 ※レートにより変動)をクレジットカードで支払う

  3. 来館予約: ビザ申請センター(VFS Global)の予約を取る

  4. 書類提出: オンラインで事前にアップロードする

  5. 審査期間: 通常3週間程度

 

【必要書類】

  • 日本人のパスポート
  • 結婚の計画を示す書類(例:式場(登記所)の予約確認メール、ケータリングや衣装の領収書等)
  • 2人の写真
  • 通話・チャット履歴
  • 滞在費を賄うことができる銀行残高証明書(英文)
  • 帰国を証明する書類(例:日本での雇用契約書、在職証明書、賃貸契約書、帰りの航空券予約等)

このビザで最も厳しくチェックされるのは、「偽装結婚ではないか」、「式が終わったら本当に日本に帰るのか(不法滞在しないか)」の2点です。よって、日本に仕事や家があり、必ず帰る理由があることをしっかり示すのがコツです。

(2)イギリス人の地元の登記所で「婚姻届出の公示」を行う

無事、結婚訪問ビザを取得して渡英できたら、イギリス人が住んでいる地元の登記所で「婚姻届出の公示」を行います。この公示は、法的に結婚する意思を公に伝える重要なステップです。
ただし、注意点もありますので、いくつかご紹介します。
まず、登記所への訪問(Giving Notice)は完全予約制です。渡英スケジュールが決まったら、早めに現地の登記所のウェブサイトから予約を入れてください。
また、登記所によって、細かい必要書類のルール(特に住所証明の形式等)が微妙に異なることがあります。予約時に送られてくる確認メールやウェブサイトの案内を必ず熟読してください。
それから、イギリスに到着した後、登記所が管轄する地域に「7日間を超えて」滞在した後でないと、公示を出すことができません。この7日間の数え方は、到着日を0日目と数えるため、例えば、1月1日にイギリスのパートナー宅に到着した場合、1月9日以降に公示を出すことができます。

【公示に必要な書類】

  • 日本人のパスポート ※Marriage Visitor visaが貼られたもの
  • 日本人の戸籍謄本とその英訳文 ※プロによる翻訳(翻訳証明付き)が必要
  • 証明写真(パスポートサイズ) ※2人それぞれのもの1枚ずつ必要

  • 現住所を証明する書類(原本)
    日本人の場合:イギリス滞在先の住所を証明するもの(滞在先のオーナーからのレター、又は住所が記載された銀行の明細書等)
    イギリス人パートナーの場合:公共料金の請求書(3ヶ月以内)、銀行の残高明細(1ヶ月以内)、カウンシル・タックス(住民税)の請求書(12ヶ月以内)等

  • イギリス人の出生証明書(Full Birth Certificate) ※両親の名前が記載されたフルサイズの原本

  • 【離婚歴がある場合のみ】 離婚届受理証明書や判決謄本(日本のものなら英訳付き)、イギリス側で離婚している場合は「Decree Absolute」

  • 【死別の場合のみ】 前配偶者の死亡診断書(英訳付き)

すべての書類は原本である必要があり、英語以外の書類(日本の戸籍謄本等)には、プロによる翻訳(翻訳証明付き)を添える必要があります

【公示期間(待ち期間)について】

  • 通常28日間: 公示を出すと、その日から28日間は結婚式を挙げることができません。

  • 最長70日間: 外国人(Marriage Visitor visa保持者等)が関係する場合、内務省(Home Office)の判断により、審査期間が70日間に延長される可能性があります。

公示が無事に終わると、期間経過後に「Marriage Schedule(婚姻届)」が発行され、ようやく結婚式が可能になります。

(3)結婚式を挙げる

公示期間を経過したら、いよいよ結婚式を挙げることができます。
イギリスの結婚式には、大きく分けて「登記所での式」と「宗教施設や認可会場での式」がありますが、基本的な流れは同じです。

  1. 直前インタビュー(Pre-ceremony interview): 式の直前に、新郎新婦それぞれ別々に(あるいは一緒に)登記官から簡単な確認を受けます。名前、住所、生年月日、相手の名前等に間違いがないか、最終確認するためのものです。

  2. 誓いの言葉(Vows): 法的に定められた「誓いの言葉」を述べます。

  3. 署名(Signing the Marriage Schedule): 新郎新婦、及び証人2人が「Marriage Schedule(婚姻届)」という書類に署名します。これが完了した瞬間に、法的に結婚したことになります。

なお、 結婚式当日は新郎新婦のパスポートを持参する必要があります。また、式に立ち会い、結婚レジスター(登録簿)に署名する証人が最低2人必要です。この証人は、友人や親族で構いませんが、英語を理解し、何が行われているか認識できる大人である必要があります。加えてもし、日本人の英語力が「誓いの言葉」を理解し、法的なやり取りを行うのに不十分だと登記官に判断された場合は、プロの通訳者(又は友人)の同席を求められることがあります。

この儀式が終わると、後日郵送、又はオンラインで申請して「婚姻証明書(Marriage Certificate)」を取得できます。これでイギリス側の手続きは完了です。

(4)日本の役場へ報告的届出を行う

イギリスで結婚が成立したら、その事実を日本の戸籍に反映させるための手続きを行います。お住まいの市区町村役場か在英国日本国大使館で3ヶ月以内に手続きを行いましょう。日本の役場で手続きをした方が、戸籍に婚姻事実が記載されるまでの時間が短いため(1週間程度)、おすすめですが、引き続きイギリスに滞在する場合は、在英国日本国大使館で手続きを行うこともできます。ただし、婚姻事実が記載されるまでに2ヶ月ほどかかりますので、注意してください。日本の役場への報告的届出に際して、必要とされる一般的な書類は以下のとおりです(必ず届出を行う役場に事前に確認してください)。

  • 婚姻届 
  • 婚姻証明書とその日本語翻訳文 
  • イギリス人のパスポートとその日本語翻訳文
  • イギリス人の出生証明書とその日本語翻訳文 

この手続きが完了して初めて、日本でも法的に婚姻が成立したことになります。

(5)入管に配偶者ビザの認定証明書交付申請をする

イギリス人との国際結婚が成立し、イギリス人配偶者と日本で暮らす場合は、イギリス人配偶者を日本に呼び寄せるために、配偶者ビザの認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。詳しくはこちらをご覧ください(この手続きで婚姻の記載がある戸籍謄本を求められるため、日本国内の役場で報告的届出をした方がスムーズに手続きできます)。
配偶者の呼び寄せについても、審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。

4.まとめ

この記事では、日本人とイギリス人の国際結婚手続きについて、日本で先に進める場合とイギリスで先に進める場合、それぞれの流れを詳しく解説しました。
この2つのケースを比較すると、日本で先に手続きを進める方が、時間はかかりません。よって、もし結婚の手続きを急がれるようでしたら、イギリス人は180日間の短期滞在であればノービザで来日できるため、日本で先に婚姻手続きを完了させることをおすすめします。お二人の結婚手続きが円滑に進み、新しい生活が素晴らしいものになることを心より願っております。

結婚手続き完了後には、外国人配偶者の方が日本で安定して暮らすために不可欠な配偶者ビザの申請という大切なステップが控えています。このビザ申請には、複雑な書類作成と厳格な審査が伴います。
当事務所では、日本人とイギリス人の国際結婚後の配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」)申請について、書類作成から申請代行までトータルでサポートしております。お二人が安心して新生活をスタートできるよう、確かな知識でサポートいたします。ビザ申請に関してお困りの際やご不安な点がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。

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