バングラデシュ人との国際結婚の手続きについて

投稿日:2025年12月23日

「愛するバングラデシュ人のパートナーと結婚して、日本で一緒に暮らしたい」 そう決心したものの、いざ手続きを調べ始めると、聞き慣れない書類や複雑なステップに戸惑ってしまう方は少なくありません。

特に、日本人とバングラデシュ人の国際結婚は、どちらの国で先に手続きを進めるかによって、必要書類や流れが大きく変わります。

具体的には、

  • 日本で先に手続きをする場合
  • バングラデシュで先に手続きをする場合

の2つのパターンが存在します。

この記事では、それぞれのパターンに沿って、必要な書類や手続きの流れを解説します。複雑に思える手続きも、1つずつクリアしていけば、必ずゴールにたどり着けます。この記事を参考に、スムーズに手続きを進めていきましょう。

1.結婚できる年齢等について

まずはじめに、結婚の手続きを進めるにあたって、自分や相手が結婚できる年齢であるかどうかを確認する必要があります。国によって、結婚できる年齢が異なるため、とても重要な確認事項です。

日本人とバングラデシュ人との国際結婚の場合、日本人は、男女ともに18歳以上であることが求められますが、バングラデシュ人は、男性21歳以上、女性18歳以上であることが求められます。

また、バングラデシュではイスラム教徒の男性に限り、条件付きで一夫多妻が認められていますが、日本は重婚を禁止しているため、日本国籍のままバングラデシュ人と結婚して、一夫多妻関係になることは日本の法律で認められません。ですが、バングラデシュで先に手続きをして重婚した場合、日本の役所は報告的届出として婚姻届を受理せざるを得ないとされています。一方、日本で先に手続きをする場合、日本の重婚禁止規定が適用されるため、一夫多妻の婚姻届は受理されません。

なお現時点で、同性婚については両国とも認めていません。

2.日本で先に手続きをする場合

結婚予定のバングラデシュ人の方が、日本に在留している場合は、日本での手続きを先に進めた方がスムーズです。まずは日本で先に手続きする場合について解説します。

(1)お住まいの市区町村役場に必要書類を確認する

最初に、日本人が住んでいる市区町村役場に結婚手続きに必要な書類を確認します。役場によって、必要な書類が異なる場合がありますので、必ず確認してください。なお、一般的によく求められる書類は以下のとおりです。

【日本人が用意するもの】

  • 婚姻届
  • 写真付きの身分証明書(パスポートや運転免許証等)

【バングラデシュ人が用意するもの】

  • 自分で作成した申述書(独身であること、重婚でないこと、バングラデシュは婚姻要件具備証明書を発行しないことを書いた書類)とその日本語翻訳文 ※業者に依頼しても、自分で翻訳しても大丈夫です
  • 宣誓書とその日本語翻訳文 ※業者に依頼しても、自分で翻訳しても大丈夫です
  • パスポート
  • 在留カード ※ある場合のみ

バングラデシュは、婚姻要件具備証明書を発行しない国です。そのため、宣誓書を代わりに提出し、手続きを進める形となります。なお、宣誓書は駐日バングラデシュ人民共和国大使館で取得できますが、そのためには、本国の役所で「独身証明書」を発行してもらい、バングラデシュの外務省でアポスティーユを受けておく必要があります。

※役所によっては、アポスティーユを受けた独身証明書で受け付けてくれるところもあります。必ずどの書類で受け付けてもらえるか、事前に確認してください。

(2)駐日バングラデシュ人民共和国大使館で宣誓書を取得する

次に、駐日バングラデシュ人民共和国大使館に連絡し、「宣誓書(Affidavit)」を取得するために必要な書類や受付日等を確認します。そして、必要書類を揃えたら大使館に行き、大使館で用意されている宣誓書に署名し、領事の前で独身であることを宣誓します。大使館がその宣誓書を認証(領事認証)することで、これが日本の役所で受理される婚姻要件具備証明書の代わりとなります。
以下は、一般的な必要書類となります(バングラデシュ人の状況や時期によって必要書類が異なる場合がありますので、大使館のHPや電話で必ず確認してください)。

【宣誓書に必要な書類】

  1. 本国から取り寄せたバングラデシュ人の独身証明書 ※バングラデシュの外務省のアポスティーユを受けたもの
  2. バングラデシュ人のパスポート(原本とコピー)
  3. バングラデシュ人の出生証明書 ※Online Verificationができるタイプのもの
  4. バングラデシュ人の写真 ※サイズ等は大使館に確認してください
  5. 日本人の戸籍謄本 ※日本の外務省のアポスティーユを受けたもの
  6. 手数料
(3)お住まいの市区町村役場に婚姻届等を提出する

無事、宣誓書を取得できたら、その翻訳文も準備して、お住まいの市区町村役場で婚姻届と必要書類を提出します。この手続きで、日本における婚姻関係の手続きは完了です。

日本での手続きが終わったら、駐日バングラデシュ人民共和国大使館に結婚の報告を行います。
一般的には、婚姻届受理証明書、婚姻の事実が記載された戸籍謄本やパスポート、日本語の書類の英訳文が必要となります。また、婚姻届受理証明書と戸籍謄本には日本の外務省のアポスティーユが必要となります。状況によって求められる書類が追加されることもありますので、事前に大使館へ確認してください。

上記手続きが完了すると、入管に配偶者ビザ申請をするにあたって必要な「結婚証明書」を取得することができます

(4)入管に配偶者ビザの申請をする

バングラデシュ人との国際結婚が成立したら、配偶者ビザへの変更許可申請又は認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。
中長期の在留資格を持つ方が変更許可申請を行う場合についてはこちらを、短期滞在ビザ(90日)から手続きを行う場合はこちらをご覧ください。

配偶者ビザには様々なメリットがあります。例えば、配偶者ビザは、就労制限が無く、自由に働くことができます。アルバイトだけでなく、正社員や会社経営等、様々な働き方をすることができます。また、永住権の取得についても、配偶者ビザの方は要件が緩和されており、永住申請しやすいです。
とは言え、配偶者ビザは審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。

3.バングラデシュで先に手続きを進める場合

結婚予定のバングラデシュ人の方がバングラデシュに在住している場合は、バングラデシュでの手続きを先に進めた方がスムーズです・・と言いたいところですが、実はバングラデシュで先に手続きを進める場合は、日本で先に手続きを進める場合よりも時間がかかります。よって、お二人で相談してどちらの国で先に手続きを進めるか、決められると良いと思います。

(1)日本人の婚姻要件具備証明書を取得する

まず、結婚予定の日本人がバングラデシュでの結婚の条件を満たしていることを証明する書類(婚姻要件具備証明書)が必要です。婚姻要件具備証明書は、在バングラデシュ日本国大使館に本人が出頭し、手続きをすることで取得できます。婚姻要件具備証明書を取得するために必要とされる一般的な書類等は以下のとおりですが、事前に必ず確認してください。

  • 日本人の戸籍謄本 ※発行から3ヶ月以内のもの、日本の外務省でアポスティーユを受けたもの
  • 2人のパスポート
  • 手数料
(2)婚姻の登録を行う

続いて、婚姻の登録を行います。バングラデシュでは、信仰する宗教によって、手続き場所や必要書類等が異なりますので、必ず事前に確認してから手続きを進めましょう。

  1. イスラム教方式(Nikah): カジ(Kazi)と呼ばれる婚姻登録官の事務所で行います。
    注意: 日本人がイスラム教徒でない場合、通常は入信(改宗)の手続きが先に行われます。
    発行書類: ニカ・ナマ(Nikah Nama)という婚姻証明書
  2. 特別婚姻法(Special Marriage Act): 宗教が異なる場合や、無宗教のまま結婚する場合に利用します。
    注意: 公示期間(通常14日〜30日程度)が必要なため、長期滞在が必須となります。
    発行書類: 婚姻登録事務所(Marriage Registrar)発行の婚姻証明書

【一般的な必要書類】

  • 日本人の婚姻要件具備証明書とその英訳文 
  • 日本人の戸籍謄本とその英訳文 ※日本の外務省でアポスティーユを受けたもの
  • 日本人のパスポート
  • バングラデシュ人の身分証明書(パスポート、NID等)
(3)日本の役場へ報告的届出を行う

バングラデシュで結婚が成立したら、その事実を日本の戸籍に反映させるための手続きを行います。お住まいの市区町村役場か在バングラデシュ日本国大使館で3ヶ月以内に手続きを行いましょう。日本の役場で手続きをした方が、戸籍に婚姻事実が記載されるまでの時間が短いため(1週間程度)、おすすめですが、引き続きバングラデシュに滞在する場合は、在バングラデシュ日本国大使館で手続きを行うこともできます。ただし、婚姻事実が記載されるまでに2~3ヶ月ほどかかりますので、注意してください。
日本の役場への報告的届出に際して、必要とされる一般的な書類は以下のとおりです(必ず届出を行う役場に事前に確認してください)。

  • 婚姻届
  • 婚姻証明書とその日本語翻訳文 ※業者に依頼しても、自分で翻訳しても大丈夫です
  • バングラデシュ人のパスポートとその日本語翻訳文 ※業者に依頼しても、自分で翻訳しても大丈夫です

この手続きが完了して初めて、日本でも法的に婚姻が成立したことになります。

(4)入管に配偶者ビザの認定証明書交付申請をする

バングラデシュ人との国際結婚が成立し、バングラデシュ人配偶者と日本で暮らす場合は、バングラデシュ人配偶者を日本に呼び寄せるために、配偶者ビザの認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。詳しくはこちらをご覧ください(この手続きで婚姻の記載がある戸籍謄本を求められるため、日本国内の役場で報告的届出をした方がスムーズに手続きできます)。
配偶者の呼び寄せについても、審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。

4.まとめ

この記事では、日本人とバングラデシュ人の国際結婚手続きについて、日本で先に進める場合とバングラデシュで先に進める場合、それぞれの流れを詳しく解説しました。
この2つのケースを比較すると、

  • 結婚予定のバングラデシュ人が日本在住なら、日本で先に手続き
  • 結婚予定のバングラデシュ人がバングラデシュ在住なら、バングラデシュで先に手続き

が、全体的な流れとしてスムーズである場合が多いです。
しかし、もしバングラデシュで先に手続きを進めることを選ばれた場合、1つ注意が必要です。バングラデシュの制度では、婚姻登録前に入信や公示が必要であるため、日本で手続きをする場合と比べて、完了までに時間がかかってしまいます。もし、結婚の手続きを急がれるようでしたら、日本で先に婚姻手続きを完了させることをおすすめします。お二人の結婚手続きが円滑に進み、新しい生活が素晴らしいものになることを心より願っております。

結婚手続き完了後には、外国人配偶者の方が日本で安定して暮らすために不可欠な配偶者ビザの申請という大切なステップが控えています。このビザ申請には、複雑な書類作成と厳格な審査が伴います。
当事務所では、日本人とバングラデシュ人の国際結婚後の配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」)申請について、書類作成から申請代行までトータルでサポートしております。お二人が安心して新生活をスタートできるよう、確かな知識でサポートいたします。ビザ申請に関してお困りの際やご不安な点がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。

お気軽にお問合せ・ご相談ください

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
082-495-5550
受付時間
10:00~18:00
定休日
土曜・日曜・祝日(予約対応可)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

082-495-5550

<受付時間>
10:00~18:00
※土曜・日曜・祝日は除く

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

かざはな行政書士事務所

住所

〒739-0041 広島県東広島市西条町寺家

受付時間

10:00~18:00

定休日

土曜・日曜・祝日(予約対応可)

対応地域

広島県を中心に、岡山県、山口県、島根県、鳥取県および全国オンライン対応可能