登録支援機関の登録手続きとは?
流れ・必要書類をわかりやすく解説

投稿日:2025年11月1日

特定技能外国人を受け入れる企業にとって、外国人の様々な支援を行う「登録支援機関」は欠かせない存在です。
しかし、「登録したいけれど、手続きが複雑でよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、行政書士の視点から、登録支援機関の登録申請の流れと必要書類について、初めての方にも分かりやすく解説します。

1.登録支援機関とは

登録支援機関とは、1号特定技能外国人が日本で安心して働き、生活できるようにサポートする機関のことです。受入れ企業から委託を受けて、受入れ企業の代わりに、生活オリエンテーションの実施や住居探しの支援、日本語学習の案内、定期面談等を行います。

支援内容は「出入国管理及び難民認定法(入管法)」で定められており、次の9つの項目にわたります。詳しくはこちらをご覧ください。

  1. 事前ガイダンスの提供
  2. 出入国する際の送迎
  3. 適切な住居の確保に係る支援や生活に必要な契約支援
  4. 生活オリエンテーションの実施
  5. 日本語学習の機会の提供
  6. 相談又は苦情への対応
  7. 日本人との交流促進に係る支援
  8. 非自発的離職時の転職支援
  9. 定期的な面談の実施、行政機関への通報

こうした支援を適切に実施するためには、一定の体制や実績が求められるため、登録支援機関として入管庁の登録を受ける必要があります。
登録支援機関は、今では全国に1万件以上が登録されており、外国人を受け入れる企業にとって、特定技能制度の運用を支える心強いパートナーとなっています(登録支援機関登録簿はこちら)。

2.登録支援機関になるための要件とは

登録支援機関として認められるためには、次の要件をすべて満たす必要があります。詳細はこちらをご覧ください。

  1. 過去5年間、関係法律による刑罰を受けていないこと
  2. 過去5年間、登録支援機関として登録の取り消しを受けていないこと
  3. 過去5年間、出入国又は労働関係法令に関し、不正行為を行っていないこと
  4. 暴力団員等ではないこと
  5. 行為能力・役員等の適格性があること
  6. 過去1年間、外国人の行方不明者を発生させていないこと
  7. 支援責任者及び支援担当者を選任していること
  8. 中長期在留者の受け入れ実績等があること
  9. 情報提供・相談等の適切な対応体制があること
  10. 支援業務実施に係る文書の作成等をすること
  11. 受入れ企業に対して、中立的な立場の者が支援責任者及び支援担当者であること
  12. 支援に要する費用を1号特定技能外国人に負担させないこと
  13. 支援の委託契約締結にあたって、支援に要する費用の額を明示すること

3.登録申請の流れ

登録支援機関の登録申請は、本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局に対して行います。直接持参するか、もしくは郵送申請も可能です。
なお、法人だけでなく個人事業主も要件をすべて満たせば登録を受けられます
以下の流れで進めるとスムーズです。

STEP1

事前準備

まず、自社(又は団体)が登録要件を満たしているかを確認します。

  • 支援計画の全部を実施できること
  • 登録支援機関になるための要件をすべて満たしていること

STEP2

申請書類の作成・収集

申請には定められた様式がありますので、それを使用して作成します。法人の場合には登記事項証明書や定款が必要です。また、支援責任者・支援担当者の経歴や経験を証明する資料も必要です。
なお、書類の作成等は行政書士に依頼することも可能です。

STEP3

入管へ申請書類を提出

準備が整ったら、管轄の入管に申請書類を提出します。支援業務開始予定日の2ヶ月前までに申請してください。郵送の場合は、書留で送るようにしましょう。

STEP4

審査・登録通知

申請後、通常1〜2ヶ月ほどで審査結果が通知されます。
補正(書類の修正や追加)が求められる場合もありますので、余裕をもって申請することが大切です。

STEP5

支援業務開始!

4.登録申請に必要な書類

登録申請時に必要な書類について、入管が示している提出書類一覧表をもとにご紹介します。なお、審査の過程で追加書類の提出を求められることもありますので、ご注意ください。
様式はこちらからダウンロードできます。

  • 手数料納付書 ※新規登録の場合、28,400円の収入印紙を貼り付けて提出。
  • 登録支援機関登録(更新)申請書
  • 【法人の場合】登記事項証明書
  • 【法人の場合】定款又は寄付行為の写し
  • 【法人の場合】役員の住民票の写し(マイナンバー不記載、本籍地の記載があるもの)
  • 【法人の場合】登録支援機関の役員に関する誓約書 ※役員の住民票の写しの提出を省略する場合のみ。
  • 【個人事業主の場合】住民票の写し(マイナンバー不記載、本籍地の記載があるもの)
  • 【個人事業主の場合】主たる事務所の住所に係る立証資料(賃貸契約書の写し、開業届出書の写し等) ※自宅オフィス以外の場合、提出が必要。
  • 登録支援機関概要書(登録用)
  • 登録支援機関誓約書
  • 支援責任者の就任承諾書及び誓約書
  • 支援責任者の履歴書
  • 支援担当者の就任承諾書及び誓約書
  • 支援担当者の履歴書
  • 支援委託手数料に係る説明書(予定費用)
  • 中長期在留者の受入実績等を証明する書類 ※次の①~④までのいずれかを提出。②、④はaとb両方、③はaとb又はcを提出すること。
    ①受け入れた中長期在留者リスト
    ②-a 士業者やこれらの者で構成される法人であることを証明する書類
    ②-b 在留外国人の各種相談業務に係る契約書及びその期間を証明する書類 
    ③-a 生活相談業務を行った中長期在留者リスト
    ③-b 当該機関で生活相談業務に従事したこと及びその期間を証明する書類
    ③-c 対象者の生活相談業務に係る契約書及びその契約に基づき報酬を受けたことを証明する書類
    ④-a 過去2年間に、就労資格を持つ外国人の受入れや生活支援等の実績がある者と同程度に支援業務を適正に実施できる体制があることを説明する書類
    ④-b その立証資料
  • 返信用封筒(長形3号封筒+460円切手、角形2号封筒+490円切手、レターパックプラスのいずれか)

5.登録後に気を付けること

登録後は、次のような点に気を付けて業務を行う必要があります。

  • 登録内容の変更があった場合の届出
    ☝申請書の記載事項に変更があった時は、変更の日から14日以内に届出が必要です。

  • 5年に1回の登録更新
    期間満了の6ヶ月前の月の初日から4か月前の月末までに入管に更新申請する必要があります。手数料は11,100円かかります。

  • 支援実施状況の定期報告
    ☝受入れ企業から支援業務の全部委託を受けている場合は、その受入れ企業と連名で、1年に1回、定期届出を提出する必要があります。

  • 報酬を受けて、支援計画やビザ申請書類の作成をしない
    ☝行政書士の資格を持たない者が、報酬を受けて官公署に提出する書類を代わりに作成することは、行政書士法で禁止されています。支援計画やビザ申請の作成依頼を受けた場合は、行政書士にご相談ください。

6.まとめ

この記事では、登録支援機関の登録手続きについて解説しました。

登録支援機関の登録は、単なる書類提出ではなく、外国人を支援する体制を証明するプロセスです。
「人員体制が整っていない」「必要書類の整備が不十分」といった理由で登録が遅れるケースも多く見られます。

当事務所では、登録支援機関の新規登録申請のご相談を承っております。初めての方でも安心して進められるよう、必要書類の作成から登録完了までしっかりサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。

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