運営:かざはな行政書士事務所
投稿日:2025年8月31日
日本人と韓国人の国際結婚の手続きは、どこで先に手続きを行うかによって、その流れが大きく変わります。
具体的には、
韓国で先に手続きをする場合
の2つのパターンが存在します。
この記事では、それぞれのパターンに沿って、必要な書類や手続きの流れを解説します。複雑に思える手続きも、1つずつクリアしていけば、必ずゴールにたどり着けます。この記事を参考に、スムーズに手続きを進めていきましょう。
まずはじめに、結婚の手続きを進めるにあたって、自分や相手が結婚できる年齢であるかどうかを確認する必要があります。国によって、結婚できる年齢が異なるため、とても重要な確認事項です。
日本人と韓国人との国際結婚の場合、日本も韓国も、法律で男女ともに18歳以上であることを定めていますので、18歳以上の男女であれば結婚可能です。なお現時点で、同性婚については両国とも認めていません。
結婚予定の韓国人の方が、日本に滞在している場合(短期滞在ビザ(査証免除)での滞在を含む)は、日本での手続きを先に進めた方がスムーズです。まずは日本で先に手続きする場合について解説します。
最初に、日本人が住んでいる市区町村役場に結婚手続きに必要な書類を確認します。役場によって、必要な書類が異なる場合がありますので、必ず確認してください。なお、一般的によく求められる書類は以下のとおりです。
【日本人が用意するもの】
’【韓国人が用意するもの】
次に、結婚予定の韓国人が住んでいる(滞在している)地域を管轄する駐日大韓民国大使館又は総領事館に連絡し、基本事項証明書等を取得するために必要なもの(パスポートや申請書等)を確認します。そして、その必要なものを持って駐日大韓民国大使館又は総領事館で直接手続きをするか、郵送請求をして、証明書を取得します。郵送請求の場合、時間がかかる傾向にありますので、急いでいる場合は、直接大使館等に行って手続きをした方が良いです。
ちなみに、韓国の役場で事前に取得してから来日する方法もあります。
【大使館・総領事館の管轄地域】
無事、証明書を取得できたら、その翻訳文も準備して、お住まいの市区町村役場で婚姻届と必要書類を提出します。この手続きで、日本における婚姻関係の手続きは完了です。
ですが、韓国に結婚の報告をする必要があるため、その手続きで求められる婚姻届受理証明書を取得したい旨も併せて窓口で伝えましょう。基本的には即日発行される書類です。
日本で先に結婚手続きを行った場合、その事実を韓国政府に報告する必要があります。
管轄の駐日大韓民国大使館・総領事館に以下の書類を提出することで、報告的手続きが完了します。詳しくはこちらをご覧ください。
※公的書類については、すべて発行から3か月以内のものであること。
韓国人との国際結婚が成立したら、配偶者ビザへの変更許可申請又は認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。
中長期の在留資格を持つ方が変更許可申請をする場合についてはこちらを、短期滞在ビザ(査証免除)から手続きを行う場合はこちらをご覧ください。
配偶者ビザには様々なメリットがあります。例えば、配偶者ビザは、就労制限が無く、自由に働くことができます。アルバイトだけでなく、正社員や会社経営等、様々な働き方をすることができます。また、永住権の取得についても、配偶者ビザの方は要件が緩和されており、永住申請しやすいです。
とは言え、配偶者ビザは審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
結婚予定の日本人の方が頻繁に韓国を訪れる場合や韓国人の方が韓国に在住している場合は、韓国での手続きを先に進めた方がスムーズです。
ここからは韓国で先に手続きする場合について解説します。
まず、結婚予定の日本人が韓国での結婚の条件を満たしていることを証明する書類(婚姻要件具備証明書)が必要です。婚姻要件具備証明書は、日本人が日本国内にいるか、韓国にいるかで取得先が異なります。
日本国内にいる場合は、本籍地の法務局で取得します(取得方法は管轄の法務局にお尋ねください)。一方、韓国に滞在している場合は、韓国にある日本国大使館・総領事館で取得します。韓国で取得する場合は、2人で窓口に行く必要があります。
なお、韓国で取得するために必要とされる一般的な書類等は、以下のとおりです(必ずご自身でも取得先に確認してください)。
日本人のパスポート
韓国人の写真付き身分証明書(運転免許証、パスポート等)
韓国人の婚姻関係証明書
申請書(窓口備え付け)
手数料
婚姻要件具備証明書を取得したら、韓国語訳を用意したうえで、いよいよ韓国での結婚手続きです。
手続きする場所は、結婚予定の韓国人の登録基準地又は住民登録地の役場です。役場によって、必要書類が異なる場合があるため、必ず事前に問い合わせて確認してください。なお、一般的に求められる提出書類は以下のとおりです。
【2人で用意するもの】
【日本人が用意するもの】
’【韓国人が用意するもの】
家族関係証明書
婚姻関係証明書
韓国で結婚が成立したら、その事実を日本の戸籍に反映させるための手続きを行います。お住まいの市区町村役場で3か月以内に手続きを行いましょう。日本の役場で手続きをした方が、戸籍に婚姻事実が記載されるまでの時間が短いため(1週間程度)、おすすめですが、引き続き韓国に滞在する場合は、韓国にある日本大使館・総領事館で手続きを行うこともできます。ただし、婚姻事実が記載されるまでに1か月半ほどかかりますので、注意してください。日本の役場への報告的届出に際して、必要とされる一般的な書類は以下のとおりです(必ず届出を行う役場に事前に確認してください)。
日本人の戸籍謄本(本籍地以外の役場に提出する場合)
この手続きが完了して初めて、日本でも法的に婚姻が成立したことになります。
韓国人と日本人の国際結婚が成立し、韓国人配偶者と日本で暮らす場合は、韓国人配偶者を日本に呼び寄せるために、配偶者ビザの認定証明書交付申請を行います。ここまでの国際結婚の手続きの中で、最も難しい手続きです。詳しくはこちらをご覧ください(この手続きで婚姻の記載がある戸籍謄本を求められるため、日本国内の役場で報告的届出をした方がスムーズに手続きできます)。
配偶者の呼び寄せについても、審査が厳しく、結婚しているからといって絶対に得られるビザではないため、入念に申請準備することをおすすめします。
この記事では、日本人と韓国人の国際結婚手続きについて、日本で先に進める場合と韓国で先に進める場合、それぞれの流れを詳しく解説しました。
この2つのケースを比較すると、
結婚予定の韓国人が韓国在住なら、韓国で先に手続き
が、全体的な流れとしてスムーズである場合が多いです。ですが、日本と韓国はお互いにノービザ(90日以内)で行き来することができる国であるため、お二人でしっかり相談して、どちらで手続きをされるか、決められるとよいと思います。どのような道を選ばれるにしても、お二人の結婚手続きが円滑に進み、新しい生活が素晴らしいものになることを心より願っています。
かざはな行政書士事務所
代表行政書士
佐々本 紗織(ささもと さおり)
プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に興味を持ちました。その後、一念発起して行政書士試験を受験し、合格することができました。
2025年5月に、広島県東広島市で国際業務専門のかざはな行政書士事務所を開業しました。ビザ申請や帰化申請の代行サポート業務で、皆さんのお役に立つため、猛勉強の毎日です。
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