外国人起業家のためのスタートアップビザについて

 投稿日:2025年12月1日

日本で起業を考えている外国人にとって、最初から「経営・管理ビザ」を取得するのは、資本金・事務所・人材雇用等の要件を揃える必要があり、ハードルが高いものです。そこで、起業準備段階をサポートする制度として、特定活動(告示 44号)ビザ、いわゆる 「スタートアップビザ」が注目されています。

この記事では、スタートアップビザとは何か、どのような流れで申請・起業準備を進め、最終的に「経営・管理ビザ」に移行できるのか、また家族の特定活動(告示45号)ビザの手続きも含めて、行政書士が分かりやすく説明します。

1.スタートアップビザとは

外国人起業活動促進事業(スタートアップビザ)は、外国人起業家に対し「起業準備」のための在留資格を与えることで、日本での起業を促進し、イノベーションや地域経済の活性化を図るものです。

スタートアップビザを取得するためには、経済産業大臣から認定を受けた外国人起業促進実施団体(自治体や民間支援機関)から、起業準備活動計画の確認証明書の交付を受けた上で、スタートアップビザの申請をする必要があります。スタートアップビザが認められれば、原則1年間(最長2年間)、日本に滞在して起業準備を進めることができます

このビザのメリットは、大きな資本金や事務所、人材をすべて揃えるのが難しい場合でも、日本に暮らしながら準備期間を確保し、準備活動を行うことができるという点にあります。その一方で、1ヶ月に1回は外国人起業促進実施団体とミーティング等を行い、起業準備活動の進捗状況を報告し、支援を受ける必要があります

なお、認定を受けた外国人起業促進実施団体はこちらから確認できます。団体によって、対象事業が異なりますので、確認してから起業準備活動計画を提出するようにしましょう。

2.起業準備活動計画確認証明書が交付されるための要件

スタートアップビザ申請に必要な起業準備活動計画の確認証明書の交付を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

事業の分野

日本の産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図る上で適切な事業であること

起業準備活動計画

計画が適正・確実なものであること

資本金等

1年以内(更新時には6ヶ月以内)に、申請に係る事業に使われる財産の総額が3,000万円以上となる見込みがあること

常勤職員の従事

1年以内(更新時には6ヶ月以内)に1人以上の常勤職員が従事する見込みがあること

事務所 1年以内(更新時には6ヶ月以内)に日本に設置する見込みがあること
経歴・学歴

次のどちらかに該当していること

  • 事業の経営又は管理について1年以上の経験があること
  • 経営管理に関する分野又は申請に係る事業の業務に必要な技術又は知識に係る分野において修士相当以上の学位を持っていること
特区制度との併用

起業準備活動の期間と国家戦略特区創業活動促進事業を活用して在留した期間が2年を超えないこと

日本への居住要件

起業準備活動中、日本に住んでいること

3.スタートアップビザ申請の流れ

それでは、スタートアップビザ申請の一般的な流れについてご紹介します。

STEP1

外国人起業促進実施団体に起業準備活動計画を提出する

※団体によって対象事業や様式が異なりますので、必ず確認しましょう。この書類の審査は非常に厳しいです。ビザ専門の行政書士のサポートを受けて、作成することをおすすめします。(当事務所では、中小企業診断士と連携し、自治体の認定を受けやすい精度の高い計画書作成を支援しています。)

STEP2

外国人起業促進実施団体から確認証明書の交付を受ける

※審査の結果、交付されない場合もあります。交付されなければ、スタートアップビザの申請はできません。

STEP3

スタートアップビザの在留資格認定証明書交付申請/在留資格変更許可申請を行う

※来日する場合は在留資格認定証明書交付申請、既に日本で暮らしていてビザを変更する場合は在留資格変更許可申請を行います。審査に3ヶ月ほどかかります。

STEP4

在留資格認定証明書の交付/在留資格変更の許可を受ける

※在留資格認定証明書が届いたら、速やかに在外日本大使館等で査証申請し、ビザの交付を受けてください。そして、在留資格認定証明書が交付されてから3ヶ月以内に日本に入国してください。3ヶ月を過ぎると、この在留資格認定証明書は無効となり、再度申請する必要があります。

STEP5

会社設立に向けた活動を行う

※1年の間に、銀行口座の開設、資本金の送金、事務所の確保、法人設立登記、常勤職員の雇用、税務署への各種届出等、やることは沢山あります!詳しくはこちらをご覧ください。

STEP6

経営・管理ビザへの在留資格変更許可申請をする

※許可される場合は、1年の在留期間であることがほとんどです。

STEP7

許可後に、事業開始!

4.スタートアップビザ申請のための提出書類

最後に、海外に住む外国人が日本で新しく会社を設立し、スタートアップビザを申請する場合に必要となる書類について、家族(配偶者・子ども)のビザ申請(特定活動45号)で求められる書類もあわせてご紹介します。(申請者の状況によって、以下にご紹介した書類以外のものを求められることもありますので、ご注意ください。)

(1)外国人起業家の提出書類
  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • 460円切手を貼った返信用封筒(宛名記入)
  • パスポートの写し
  • 外国人起業促進実施団体より交付された起業準備活動計画確認証明書の写し(有効期間内のものに限る。) 
  • 外国人起業促進実施団体からの確認を受けた起業準備活動計画の写し
  • 上記の起業準備活動計画に添付した資料
  • 次のいずれかに該当することを証明する資料
    ①大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書
  • ②日本の専修学校の専門課程を修了し、専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書
    ③起業を目指す事業の対象分野に関連する業務について3年以上の実務経験を有することを証明する文書
    ④外国において当該分野に関連する事業の経営又は管理に1年以上従事していること証明する文書
  • ➄その他参考になる資料
(2)外国人起業家の家族の提出書類
  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • 460円切手を貼った返信用封筒(宛名記入)
  • パスポートの写し(本人及び外国人起業家)
  • 家族と外国人起業家との身分関係を証明する文書(結婚証明書、出生証明書等) 
  • 滞在費を明らかにする資料 

5.まとめ

スタートアップビザは、日本での起業を志す方にとって非常に強力な味方ですが、自治体から「確認証明書」を受け取るためのハードルは高いです。特に、将来的に経営・管理ビザへ移行できるだけの、実現可能性と継続性のある「起業準備活動計画」を立てることが求められます。

当事務所では、中小企業診断士と連携し、自治体の厳しい審査をクリアするための戦略的な計画書作成をサポートいたします。単にスタートアップビザを取得するだけでなく、1年後の経営・管理ビザへの移行を見据えた、質の高いコンサルティングが可能です。

日本で新しいビジネスに挑戦しようとする皆様の熱意を、当事務所は全力で応援します。慣れない日本語での書類作成や自治体とのやり取りに不安を感じることもあるかと思います。そんな時は一人で抱え込まず、ぜひ当事務所を頼ってください。難しい手続きはプロがしっかりサポートしますので、皆様は大切な「事業のアイデア」を形にすることに、心を注いでください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。

お気軽にお問合せ・ご相談ください

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
082-495-5550
受付時間
10:00~18:00
定休日
土曜・日曜・祝日(予約対応可)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

082-495-5550

<受付時間>
10:00~18:00
※土曜・日曜・祝日は除く

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

かざはな行政書士事務所

住所

〒739-0041 広島県東広島市西条町寺家

受付時間

10:00~18:00

定休日

土曜・日曜・祝日(予約対応可)

対応地域

広島県を中心に、岡山県、山口県、島根県、鳥取県および全国オンライン対応可能