投稿日:2025年5月26日
 
 日本人の配偶者等ビザとは、日本人と結婚した外国人の方や日本人の子ども(特別養子及び実子)に与えられる在留資格です。このビザを持っている方が永住ビザの取得を希望する場合、他のビザには無い有利な特例があります。
この記事では、日本人の配偶者等ビザから永住ビザを取得するための要件等を解説します。
まずは永住ビザを取得するメリットについてご紹介します。
 日本人の配偶者等ビザをお持ちの方が、永住ビザを取得する大きなメリットは、在留期限と活動制限か無くなり、身分が安定することです。
 日本人の配偶者等ビザの在留期限は、6か月、1年、3年、5年のいずれかで、在留期限が切れるまでに更新手続きが必要となります。ですが、永住ビザを取得すると、在留期限が無くなり、更新手続きが不要となります。
また、日本人の配偶者等ビザの場合、就労活動に制限はありませんが、家族が同居し、協力し合って共同生活を営むという活動実態が必要となります。もし、正当な理由が無いまま、この配偶者等としての活動を6か月以上行わないで日本に滞在すると、法務大臣は在留資格を取り消すことができるとされています。ですが、永住ビザを取得すれば、この活動の制限も無くなります。よって、万が一配偶者と離婚したり、死別したりしても、永住ビザを取得していれば、日本に滞在することができます。
詳細は、こちらのページでも解説しておりますので、ぜひご覧ください。
永住ビザを取得するためには、3つの要件があります。ですが、日本人の配偶者等ビザの場合、(1)と(2)は免除されています。
(1)素行が善良であること(素行善良要件)
 (2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)
 (3)その者の永住が日本国の利益に号すると認められること(国益適合要件)
素行善良要件とは、法律を守って人に迷惑をかけずに生活していることを指しますが、日本人の配偶者等ビザをお持ちの方は、免除されています。
  
独立生計要件とは、安定して自立した生活を継続できる能力があることを指しますが、日本人の配偶者等ビザをお持ちの方は、免除されています。
国益適合要件とは,永住を認めることが日本国にとってプラスになることを指します。
 ガイドラインで4つの基準が定められていますので、それぞれ見てみましょう。
①原則として、引き続き10年以上日本に在留していること。⇒婚姻生活3年以上、日本在留1年以上でOK
 「引き続き」とは、途切れることなく継続して在留していることを意味します。よって、出国が多い場合は、在留期間の積算がリセットされることがあります。例えば、1回の出国で90日以上又は1年間で半年以上出国している場合は、日本に生活基盤が無いとみなされ、永住許可が難しくなります。
 加えて、永住申請をするには、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要ですが、日本人の配偶者は、配偶者と実態を伴った婚姻生活が3年以上経過し、かつ1年以上引き続き日本に在留していれば、要件を満たすこととなります。また日本人の子どもは、引き続き1年以上日本に在留していれば、要件を満たすこととなります。
②罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務を適正に履行していること。
 公的義務とは、税金や公的年金等の保険料の納付だけでなく、入管法で規定されている届出等も含まれます。
 特に、国民年金と国民健康保険料について、納期限を守っていない場合、不許可となりますので、注意が必要です。もし、納期限を守って支払っていない場合は、永住ビザの申請をする前に、2年間、納期限を守って支払いましょう(納期限を守って支払った実績が必要です)。なお、申請者だけでなく、配偶者(親)の納付状況も調べられますので、注意してください。
③現に有している在留資格について,入管法に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
 入管法上では5年のビザが最長になりますが、当面の間は3年のビザでも「最長の在留期間」として扱うことになっています。ですので、日本人の配偶者等ビザを持っている方でも、3年未満の在留期間で許可をされている方は、永住ビザの申請ができません。
④公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
 これは、感染症や薬物依存症でないことを意味します。
 
 かざはな行政書士事務所
代表行政書士 
 佐々本 紗織(ささもと さおり)
プロフィール
 前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
 その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
 2025年5月に、広島県東広島市で国際業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
 ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆さまを支援しています。
 
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