育成就労制度の要「監理支援機関」とは?
役割と許可要件を徹底解説

投稿日:2026年1月28日

2027年4月1日から、これまでの「技能実習制度」に代わり、新しく「育成就労制度」が施行されます。
この制度において、従来の監理団体は新たに「監理支援機関」としての許可を受ける必要があります

この記事では、制度の適正な運用の鍵を握る監理支援機関の役割と許可を受けるための厳格な要件について、専門的な観点から解説します。

 

1.監理支援機関の役割

まず、監理支援機関の主な役割は、受入れ企業(育成就労実施者)に対する指導・監督外国人材の保護・支援です具体的には次の役割を担います。

  • 入職時のマッチング(職業紹介): 外国人と企業の間の雇用関係の成立をあっせんします
  • 監査と巡回指導: 企業が育成就労計画を適正に実施しているか、労働関係法令に違反していないかを3ヶ月に1回以上の頻度で監査し、是正指示を行います
  •  外国人材の相談対応・保護: 相談窓口を設置し、外国人が十分に理解できる言語で適切な助言や生活支援を行います
  •  転籍(転職)の支援: 育成就労制度で認められる「本人の意向による転籍」の際、関係機関との連絡調整や新たな受入れ先のあっせんを行います

2.監理団体と監理支援機関の違い

続いて、監理団体と監理支援機関の違いについてですが、名称が変わるだけでなく、その役割も制度の目的に合わせて大きく変化します。 これまでの技能実習制度が「国際貢献」を掲げていたのに対し、新しい育成就労制度では「人材の育成と確保」へと軸足が移ります。
押さえておくべき重要なポイントを比較表にまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。

  監理団体

監理支援機関

対象となる制度

技能実習制度

育成就労制度

制度の目的

人材育成を通じた国際貢献

人材育成と人材確保

転籍の支援

転籍は原則不可だが、実習先の倒産等「やむを得ない事情」がある場合に限定して対応する

外国人の意向による転籍が一定条件(1〜2年の就労等)で可能であり、その連絡調整や職業紹介を行わなければならない
監査・指導

3ヶ月に1回以上の定期監査
1ヶ月に1回以上の訪問指導(技能実習1号のみ)

3ヶ月に1回以上の定期監査
1ヶ月に1回以上の訪問指導(育成就労期間が1年を超えるまで)
特定技能へのスムーズな移行やキャリア形成を支援

外部監査人の設置 任意(外部役員又は外部監査人のいずれかを選択) 必須
財産に関する許可基準

特段の明文なし(運用の基準はある)

債務超過が無いこと

職員の配置基準

受入れ企業数に応じた適切な人員

役職員1人につき、受入れ企業8社まで、外国人数40人まで
※漁業分野では、役職員1人につき、受入れ企業16社まで、外国人数32人まで
送出機関への費用 明確な上限規定なし(外国人の借金問題が課題) 外国人の負担額は月給2ヶ月分を上限とし、超過分は受入れ企業や監理支援機関が負担
送出機関の選定 認定されていない機関が含まれる場合がある 二国間取決めで認定された機関のみが原則

監理団体と監理支援機関の役割の変化で特に重要なポイントは次のとおりです。

  1.  人材確保・育成へのシフト:監理支援機関は、外国人を単なる実習生ではなく、日本の労働力不足を補う「確保すべき人材」として育成し、「特定技能1号」へステップアップさせるためのキャリア支援を担います
  2.  転籍支援の重要化:育成就労制度では、一定の要件(技能検定基礎級合格、日本語N5相当以上の合格等)を満たせば、本人の希望による転籍が認められます。監理支援機関は、転籍を希望する外国人からの申し出に対し、他の受入れ機関との連絡調整や職業紹介を適切に行う責任があります
  3.  不当な費用の排除:外国人が本国の送出機関に支払う費用が不当に高額にならないよう、受入れ企業が手数料を補填する場合の確認や二国間取決めに基づいた適正な送出機関との連携をこれまで以上に徹底する役割が求められます
  4.  監理体制の透明性向上:独立した外部監査人の設置が義務付けられたことで、受入れ企業との癒着を防ぎ、より客観的な立場で法令遵守を監督する役割が強化されています

3.監理支援機関になるための主な要件

さて、比較表で監理団体との違いを把握していただいたところで、ここからは監理支援機関になるための主な要件について解説していきます。従来の監理団体よりも要件が厳格化されていますので、注意が必要です。

(1)法人格の制限

監理支援機関になれるのは、商工会議所、商工会、中小企業団体(事業協同組合等)、職業訓練法人、公益社団・財団法人等、日本の営利を目的としない法人に限られます

(2)外部監査人の設置

受入れ企業から独立した中立的な立場で業務を行うため、外部監査人の設置が義務付けられました
外部監査人になるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 監理支援機関と密接な関係を持たない者
  2. 行政書士や弁護士、社会保険労務士の有資格者や育成就労の知見を持つ者
  3. 養成講習を受講している者
(3)健全な財産的基礎

運営の安定性を証明するため、債務超過(純資産がマイナス)でないことが必須要件です

(4)適切な人員体制

適切な監理・支援を行うため、以下の配置基準を満たす必要があります

  •  監理支援業務に従事する常勤の役職員が2人以上であること
  •  職員1人あたりの担当社数は8社まで(漁業分野は16社まで
  •  職員1人あたりの担当外国人数は40人まで(漁業分野は32人まで
(5)受入れ企業数の下限

監理支援を行う受入れ企業数が、原則として社以上あることが求められます

(6)養成講習の修了

監理支援責任者、外部監査人、監査担当職員は、年ごとに所定の養成講習を修了しなければなりません

4.まとめ

育成就労制度は2027年4月に施行されますが、監理支援機関の許可申請は2026年度中に開始される予定です。重要なのは、現在の「監理団体」から自動的に移行されるわけではないという点です。

新たに許可を取得するためには、複雑な定款の変更、厳格な財政状況の精査、そして中立性を担保するための「外部監査体制の構築」といった高いハードルをクリアしなければなりません。

当事務所は、申請書類の作成にとどまらず、「外部監査人」として貴機関の中立性とコンプライアンスを支えるパートナーとなることが可能です(2026年3月より対応可能予定)。制度の転換期を確かな安心とともに乗り越えるため、ぜひ当事務所の専門知識をお役立てください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。

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