「特定技能2号」から永住へ!
取得要件と必要書類を徹底解説

更新日:2026年10月2日 投稿日:2025年11月27日

特定技能2号ビザは、特定技能1号ビザで実務経験を積み、より高度な技能を身に付けた外国人が、同じ産業分野の評価試験に合格することで取得できる在留資格です。
特定技能1号と異なり、通算在留期限がなく、家族帯同が可能である点が大きな特徴ですが、さらに重要なポイントとして、特定技能2号ビザで日本に5年以上在留すると永住申請が可能になるという点があります。

ただし、永住申請には「在留歴」「収入」「素行」「社会保険」等、複数の審査基準を満たす必要があり、申請すれば必ず許可されるわけではありません。

そこでこの記事では、2026年10月に改訂されたガイドラインの内容もふまえた上で、特定技能2号から永住申請を目指す方に向けて、主な要件や必要書類について分かりやすく解説します。

1.特定技能2号ビザから永住ビザを取得するメリット

まずは永住ビザを取得するメリットについてご紹介します。
特定技能2号ビザをお持ちの方が、永住ビザを取得する大きなメリットは、在留期限と就労制限が無くなり、身分が安定することです。
特定技能2号ビザの在留期限は、6か月、1年、2年、3年のいずれかで、在留期限が切れるまでに更新手続きが必要となります。ですが、永住ビザを取得すると、在留期限が無くなり、更新手続きが不要となります。
また、就労活動については、特定技能2号ビザの場合は、特定の産業分野で認められた業務区分の就労活動しか行うことができませんが、永住ビザを取得すれば、就労活動の制限も無くなります。よって、特定技能制度で指定されていない産業分野で自由に働くこともできますし、起業することもできます。

2.永住ビザの取得要件

永住ビザを取得するためには、3つの要件があります。

(1)素行が善良であること(素行善良要件)
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(国益適合要件)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

(1)素行善良要件

素行善良要件とは、法律を守って人に迷惑をかけずに生活していることを指します。
例えば、日本の法律に違反して、刑事罰を受けていないことや交通違反を繰り返していないこと等が具体例として挙げられます。もし、処罰されたことがある場合でも、特定の期間が経過すれば、許可になる可能性があります。
特定の期間とは、懲役と禁固の場合は、刑務所から出所して10年を経過(執行猶予がついている場合は、猶予期間が満了してから5年経過)すること、罰金・拘留・科料の場合は刑の執行(支払い)を終えてから5年経過することで、その刑は消滅したものとして扱われます。

また、結婚されている方で、配偶者や子どもが家族滞在ビザで日本に在留している場合も注意が必要です。家族滞在ビザは、原則、就労を認められていないビザですが、資格外活動許可を得れば、週に28時間以内であれば働くことができます。ですが、週28時間を超えて働いている場合は、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行っているということになります。そして、その監督者である特定技能2号ビザを持っている方も、違法行為又は風紀を乱す行為を行っている者を監督できていないということになります。この場合、家族滞在ビザの方が、就労時間を週28時間以内にしてから3年経過しないと、永住ビザの許可は難しいです。

これら以外にも様々なことが考えられますが、個々の状況によって判断されるため、明確な審査基準は存在しません。素行善良要件については、日常生活で法律に違反するような行動をしていなければ、心配する必要はありません。

(2)独立生計要件

独立生計要件とは、自立して生活することができる能力があることを指します。

1つ目は「その世帯にどれぐらいの年収があるのか?」ということです。原則として、直近5年分の年収がチェックされます。年収額について、入管では明確な数字を公表していませんが、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準を求めています。一体いくらなのか、様々な議論がありますが、今までのような単身世帯で年収300万円以上あればよいというわけにはいかないようです。最も多い意見としては、4人世帯までは世帯年収約760万円(2024年の平均所得575.2万円を基に算出。「2025年国民生活基礎調査の概要」)が求められるのではないかと言われています。また、5人世帯以上になると、人数に応じてさらに加算されます。なお、配偶者が就労系のビザを持ち、収入を得いている場合は、世帯収入に合算できますが、家族滞在ビザ等、働くことを目的としていないビザの場合は、そのアルバイト代を世帯収入に加算することはできません。
さらに注意しなければいけないのは、海外にいる扶養親族の人数もこの世帯人数に含めなくてはいけないという点です。もし、実際には扶養していないのに、税金対策のためだけに親族を不要に入れている場合は、正しい情報を修正申告しましょう。こちらの項目は、2026年4月以降に申請したものについても適用されます。

2つ目は、今回のガイドラインで初めて示された年金に係る項目です。具体的には、「その世帯が将来受け取ることができる年金見込額はいくらぐらいあるのか?」ということです。
申請者の年金の加入状況や年収から計算される将来の年金の見込額が、上記の日本人世帯の平均年収約760万円を上回る年収水準で30年間働き、その期間、厚生年金に加入していた場合の将来の見込額に達しているかが確認されます。もし、その見込額に達していなくても、生活資金にあてることができる金融資産(株や預貯金、保険金等)が十分にある場合は、見込額に達しているものと評価されます。なお、金融資産は、申請者が年金を受給し始めてから生活資金を補う性質のものであり、若い人ほど長期にわたってその資産を形成しやすいため、その基準額は、申請者の年齢が若いほど、低いものとなります。
また、見込額や金融資産についても、世帯単位で判断されますので、配偶者がいる場合は、配偶者の見込額や金融資産も合算して、評価されます。こちらの項目は、2027年4月以降に申請したものについて適用されます。

永住ビザを取得するためには、今まで以上に日本で安定した収入を継続的に得ること、そして老後も公共の負担を受けることなく自立して生活していけることが重要視されていると言えます。

(3)国益適合要件

国益適合要件とは、永住を認めることが日本国にとってプラスになることを指します。
ガイドラインで以下の10項目が定められていますので、それぞれ見てみましょう。

①住居地の届出等の各種届出義務や在留カードの常時携帯義務等を守ること。
在留カードを持っている中長期在留者が必ず守らなければならない届出や携帯の義務のほか、在留資格で認められていない活動をしない、させない義務も守る必要があります。

➁税金や保険料を遅れることなく支払うこと。
所得税、住民税、法人税、固定資産税等のすべての税金と公的医療保険、公的年金等の負担金を期限までに支払っていることが求められます。申請時点で未納が無くても、過去に滞納処分を受けたことがある場合は、不許可の可能性が一気に高くなります。この基準は、世帯単位で確認されますので、配偶者に滞納処分がある場合も、同様に消極評価を下されます。

➂過去に罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと。
過去にこれらの刑罰を受けている場合は、消極評価をされます。

④上陸拒否事由に該当していないこと、現に有している在留資格の上陸許可基準に適合していること。
例えば、日本の公衆衛生を脅かすおそれがある重い感染症にかかっている人や薬物(覚醒剤、大麻、麻薬など)、銃砲刀剣類、売春、人身取引などの特定の犯罪に関わったことがある人などは上陸拒否事由に該当しますが、これらの事由に該当していないことが求められます。
また、現在持っているビザの上陸許可基準に適合していない場合は、消極評価をされます。

➄日本に10年以上住んでおり、現に有している在留資格について最長の在留期間をもって在留していること。
申請時点において、原則として引き続き10年以上、日本に在留している必要があります。なお、この期間のうち、5年以上、就労資格又は居住資格をもって日本に在留している必要があります。特定技能1号は在留期間に含めることはできても、就労資格を持って在留している期間に含めることができないことに注意が必要です。一方、特定技能2号は、就労資格を持って在留している期間に含めることができます。

計算例は次のとおりです。

  • 留学:5年 + 特定技能1号:5年 ⇒ 永住申請不可
    ☝永住申請するには、技能実習、特定技能1号以外の就労資格でさらに5年以上在留する必要があります
  • 特定技能1号:5年 + 特定技能2号:5年 ⇒ 永住申請可能
  • 留学:2年 + 特定技能1号:3年 + 特定技能2号:5年 ⇒ 永住申請可能

また、過去10年以内に、1回の出国で6ヶ月以上日本から離れていた場合や通算して2年6ヶ月以上出国していた場合は、消極評価(リセット)されます。
加えて、入管法上では多くのビザにおいて、「5年」が最長ですが、当面の間は「3年」のビザでも「最長の在留期間」として扱うことになっています。なお、特定技能2号ビザの現在の最長は「3年」ですが、将来的に「5年」なる予定です。
⇒2026年2月にこのルールの改訂がありました。2027年3月31日までは、「3年」のビザでも永住申請可能ですが、2027年4月1日以降は、「5年」のビザを持っていないと、永住申請できなくなります。ただし、2027年3月31日の時点で「3年」のビザを持っている人については、2027年4月以降でも、その在留期間内に1度だけ永住申請できます。

➅公共の負担とならないこと。
日本人や永住者の配偶者や子ども、難民認定を受けた人は独立生計要件に適合する必要は無いとされていますが、この要件に適合していると認められる場合は、積極評価につながります。一方、これらの人たちが、生活保護を受けている場合やそのおそれがある場合は、消極評価をされることがあります。こちらの項目は、2026年4月以降に申請したものについても適用されます。

➆一定水準の日本語能力を有すること。(2027年4月~適用)
具体的には、「日本語教育の参照枠」において、B1相当レベル以上(N3で104点以上又はN2)が必要です。ただし、申請者が高度人材外国人である場合やその家族、日本の小・中・高校で合計6年以上教育を受けた場合、永住者の子ども(その親がB1相当レベル以上の日本語能力を持ち、かつ子どもが日本で生まれた場合に限る)などは、免除されます。

➇日本の制度やルールを理解していること。(2027年4月~適用)
申請者が日本の制度やルールを理解していない場合や理解する意欲が低い場合は消極評価をされます。具体的には、入管が指定する方法で、「生活・就労ガイドブック」に記載されている内容を中心に、日本の制度やルールの理解度が一定水準を上回っているかを確認されます。

➈学齢期の子どもが日本の学校に通っていること。(2027年4月~適用)
申請者が、学齢期(義務教育期間)の子どもを養育している親である場合、子どもを日本の小学校又は中学校に通わせていることが求められます。同様に、学齢期の子どもが申請者である場合、申請者が小学校又は中学校に通っていることが求められます。

➉その他に国益に適合すると思われる事情があること。
上記の9つの項目以外に、日本社会の一員としてルールを守り、地域や社会にしっかり馴染んでプラスになるような行動(例:特定在留カードの積極利用、日本語や日本のルールを積極的に学ぶ等)をしていれば、積極評価をされます。

3.永住ビザ申請のための提出書類

最後に、特定技能2号ビザから永住ビザを申請するために必要な提出書類をご紹介します。(申請者の状況によって、以下にご紹介した書類以外のものを求められることもありますので、ご注意ください。)

  • 永住許可申請書
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • 永住許可を必要とする理由書(日本語以外で作成した場合は、翻訳文が必要)
  • 履歴書
  • 申請者を含む家族全員の住民票(マイナンバー不要)
  • 自宅の賃貸借契約書の写し(不動産を所有している場合は、不動産登記簿謄本)
  • 自宅写真(外観、玄関、キッチン、リビング、寝室)
  • スナップ写真(家族や職場の人、身元保証人と写っているもの)3枚以上
  • 在職証明書等
  • 住民税の課税証明書(直近5年分)
  • 住民税の納税証明書(直近5年分)
  • 住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(直近5年分)※例:通帳の写し等
  • 国税(源泉所得税及び復興特別所得税等)の納税証明書
  • ねんきん定期便又はネットの「各月の年金記録」の印刷画面(直近2年分)
  • 健康保険被保険者証の写し/国民健康保険者証の写し
    ※マイナ保険証をお持ちの方は、マイナポータルの健康保険者証情報に記載の「資格取得年月日」が確認できる画面の写し(3か月以内のもの)
  • 国民健康保険料納付証明書/国民健康保険料領収書の写し(直近2年分)※国民健康保険加入者のみ
  • 申請者の資産を証明する書類 ※例:預貯金証明書の写し、不動産の登記事項証明書等
  • 最終学歴の卒業証明書又は卒業証書の写し
  • 資格を持っている場合は、合格証の写し
  • 申請者のパスポート又は在留資格証明書(原本提示)
  • 申請者の在留カード(原本提示)
  • 身元保証書
  • 身元保証人の身分事項を明らかにする書類 ※例:運転免許証の写し等
  • 了解書
  • 我が国への貢献に係る資料(ある場合のみ) ※例:感謝状、会社が作成した推薦状等

4.まとめ

この記事では、特定技能2号ビザから永住ビザを取得するための要件や申請書類について解説しました。
ご覧のとおり、様々な種類の書類が必要です。これらの書類を正しく準備するためには、膨大な時間と手続きに関する知識が求められます。また、審査期間は6か月程度かかるため、早めに準備を始めることも大切です。スムーズに手続きを進めたいと思われる方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で入管業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆様を支援しています。

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