運営:かざはな行政書士事務所
投稿日:2025年7月31日
「日本人の配偶者と別居していて、配偶者ビザを更新できるのか不安…」
働き方や暮らし方が多様化する社会の中で、そんな不安を抱えている外国人の方も多いと思います。
実際、配偶者ビザは原則として同居が求められますが、仕事や留学、介護等でやむを得ず別居している場合については、更新が認められることもあります。大切なのは、別居の理由をしっかりと示し、婚姻関係の継続を証明することです。
この記事では、別居していても更新が可能となる場合や配偶者ビザでの更新が難しい場合の他のビザへの切り替えについて解説します。
そもそも配偶者ビザでは、なぜ同居が求められるのでしょうか。
日本人の配偶者等ビザについて、入管の審査要領には次のように書かれています。
法律上の婚姻関係が成立していても、同居し、互いに協力し、扶助しあって社会通念上の夫婦の共同生活を営むという婚姻の実態を伴っていない場合には、日本人の配偶者としての活動を行うものとはいえず、在留資格該当性は認められない。社会通念上の夫婦の共同生活を営むといえるためには、合理的な理由がない限り、同居して生活していることを要する。 |
---|
つまり、一般的な結婚生活では、同居していることが普通で、別居している場合は偽装結婚の疑いがあるので、入管が納得する合理的な説明が必要ということです。
それでは、別居していても、合理的な理由があるとして、配偶者ビザの更新が認められる可能性があるケースには、どのようなものがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
単身赴任で別居すること自体は、世間一般的には珍しいことではありません。ここで重要なことは、単に単身赴任なので別居しているという説明だけでなく、勤務地の近くに夫婦で住むことができない合理的な理由(例:子どもが転校したくない、親の介護がある等)を説明することも配偶者ビザの審査では必要になります。
なお、仕事での単身赴任だけでなく、里帰り出産等で一時的に別居している場合も、合理的な理由とみなされる可能性があります。
意外と思われるかもしれませんが、離婚調停、離婚訴訟を行っている最中で、婚姻関係が修復する余地が全く無いとまでは言えない場合には、更新を認められる可能性があります。ただし、その多くは在留期間が6か月(又は短期滞在ビザへの変更)となります。
住民票上では住所が同じでも、実際には別居中で離婚調停中である場合は、その旨を正直に記載し、婚姻関係が修復する可能性があることや経済的基盤があることを説明しましょう(家庭裁判所の係属証明書等が必要です)。
この場合は、当然に配偶者と別居することとなりますが、配偶者ビザの外国人が定期的に面会に行っており、在監証明書等を提出して、事情を説明すれば、更新が認められる可能性があります。
以上、日本人の配偶者と別居している外国人の方が、配偶者ビザの更新を行うことが「できる可能性があるケース」と「できないケース」について解説してきました。更新を希望する場合、次のポイントが審査で特に重視されますので、参考にしてみてください。
別居期間や夫婦間の連絡状況・協力関係を証拠(LINE履歴、訪問記録等)で立証できているか
婚姻の実態性を示す書類(住民票、婚姻届、家族写真、共同名義の通帳等)と実態が合致しているか
経済的基盤があり、納税状況に問題が無いか
上記ポイントを満たし、整理して提出できれば、別居中でも更新が認められる可能性があります。しかし、不安や迷いが残る場合には、審査書類の不備や説明の曖昧さにつながり、それが原因で不許可となるリスクも否めません。特に別居の理由書や証拠書類の構成には、専門的な工夫が必要となります。
ご自身だけで十分な準備が難しいと感じた場合は、ぜひビザ専門の行政書士への相談をご検討ください。専門家の視点によるチェックが、不備防止・信頼性向上につながり、安心して更新申請を進める一助になるはずです。
かざはな行政書士事務所
代表行政書士
佐々本 紗織(ささもと さおり)
プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に興味を持ちました。その後、一念発起して行政書士試験を受験し、合格することができました。
2025年5月に、広島県東広島市で国際業務専門のかざはな行政書士事務所を開業しました。ビザ申請や帰化申請の代行サポート業務で、皆さんのお役に立つため、猛勉強の毎日です。
お電話でのお問合せ・相談予約
<受付時間>
10:00~18:00
※土曜・日曜・祝日は除く
フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。