短期滞在ビザから就労ビザに変更できる?

投稿日:2025年8月12日

日本での短期滞在中に、働くチャンスが見つかった!でも、短期滞在ビザのままで働けるの?就労ビザに変更できる?そんな疑問をお持ちではありませんか?
しかし結論から言うと、短期滞在ビザのまま働くことはできません。そして、原則として短期滞在ビザから就労ビザへの変更は認められていません。では、全く方法がないのでしょうか?

この記事では、短期滞在ビザから就労ビザへの変更が難しい理由と現実的な選択肢等について詳しく解説します。日本で働く夢を叶えるために、ぜひ最後までお読みください。

1.短期滞在ビザから就労ビザへの変更が難しい理由

短期滞在ビザは、日本に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡等に対して許可されるビザで、他のビザに比べて比較的簡単に発給されるか、あるいはビザの発給を免除されて、容易に日本に入国できるものです。
このような目的や経緯で日本に滞在している外国人に対して、簡単に他のビザへの変更を認めると、日本の出入国管理制度の秩序が乱れることとなります。そのため、入管法では、短期滞在ビザから他のビザへの変更は、「やむを得ない特別の事情」がない限り許可しないと定められています。

2.やむを得ない特別の事情とは

それでは、どのような事情があれば、やむを得ない特別の事情と認められるのでしょうか。具体例をいくつかご紹介します。

  • 短期滞在中に日本人や日本に在留している外国人と結婚した、又は既に結婚している
  • 短期滞在中に子どもを出産した
  • 日本人、特別永住者、永住者の子どもである
  • 告示定住ビザに該当する者である
  • 高度人材(高度専門職ビザを持つ者)の配偶者、子ども、実親(配偶者の実親含む。条件あり。)である
  • 在留中に在留資格認定証明書が交付された
  • 入国後に病気やケガ等により、早急に治療する必要がある

上記の中に、在留中に在留資格認定証明書が交付された場合は、やむを得ない特別の事情と認められるとあります。しかし現在、就労ビザに関しては、在留資格認定証明書が交付されても、それだけでは変更を認めてもらえない運用に変わっています。「就職が決まって、帰国せずに日本で働きたいから」という理由だけでは、変更申請さえ受け付けてもらえません。
やむを得ない特別の事情があれば、それを理由書に書いて説明する形となりますが、入管がやむを得ない特別の事情かどうかを厳しく審査した結果、変更を認めないという可能性もあるということを心に留めておいてください。

3.短期滞在ビザから就労ビザへの変更の流れについて

ここまでの説明でお分かりのことと思いますが、短期滞在ビザから就労ビザへの直接の変更は基本的にできません。短期滞在ビザは、最大90日の短期の用事(観光、保養、親族訪問、商用等)を済ませたら帰国することを条件に、比較的容易に入国が許可されるもので、長期滞在を認めたビザでは無いからです。そのため、日本において長期で働くことを目的としている就労ビザを取得したい場合は、一度帰国してから、就労ビザを得て、再度来日する必要があります。

それでは、どのように手続きを進めれば、最短で就労ビザを得て、日本に入国し、働くことができるのでしょうか。その流れについて説明します。

STEP1

外国人が短期滞在中に日本の会社と雇用契約を結ぶ(内定を得る)

※各種就労ビザの取得要件を満たすかどうか、確認しておくことが重要です。例えば、技術・人文知識・国際業務ビザを取得するためには、外国人が大卒であること、学歴と業務内容に関連性があること等が求められます。

STEP2

外国人が短期滞在中に、会社が入管に在留資格認定証明書交付申請をする

※ビザ専門の行政書士に依頼されると、申請書類の作成代行や追加書類の対応までサポートを受けられるのでおすすめです。入管の審査期間は約3か月です。

STEP3

外国人は、短期滞在ビザの在留期限内に帰国する

※帰国前に、在留資格認定証明書が交付されても、一度帰国してください。

STEP4

在留資格認定証明書が交付されたら、外国人に送る

※紙での交付かデータでの交付か選ぶことができます。紙の場合は国際郵便で郵送、データの場合はメールで送信することが可能です。

STEP5

外国人が在外日本大使館等で査証申請し、ビザの交付を受ける

STEP6

在留資格認定証明書が交付されてから、3か月以内に日本に入国する

※3か月以内に入国しないと、この在留資格認定証明書は無効となり、再度申請する必要があります。

STEP7

住居地を決め、14日以内に市役所で住民登録する

STEP8 会社で就労開始!

4.まとめ

この記事では、短期滞在ビザから就労ビザへの変更が難しい理由と現実的な選択肢等について詳しく解説しました。

短期滞在ビザから就労ビザへの変更が難しいという事実は、日本での就職を目指す外国人の方々にとって、もどかしいものかもしれません。しかし、これは日本の出入国管理制度の公平性を保つために必要なルールです。大切なのは、正しい知識を持って、適切に手続きを行うことです。就労ビザ申請には多くの書類と時間が必要となりますが、それらをクリアすることで、日本で安心して働くことができるようになります。
まずは、日本での就職が決まったら、すぐに会社と今後のビザ手続きについて話し合いましょう。そして、一度帰国してから、就労ビザを得て入国するための準備を始めましょう。
なお、不明な点があれば、専門家である行政書士に相談することも一つの方法です。日本での挑戦を心から応援しています。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に興味を持ちました。その後、一念発起して行政書士試験を受験し、合格することができました。
2025年5月に、広島県東広島市で
国際業務専門のかざはな行政書士事務所を開業しました。ビザ申請や帰化申請の代行サポート業務で、皆さんのお役に立つため、猛勉強の毎日です。

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