短期滞在ビザとは

投稿日:2025年8月11日

短期滞在ビザは、日本に短期間滞在することを目的として、観光や親族訪問、商用等で訪れる外国人に必要なビザです。しかし、国によって、ビザを取得する必要のない人もいる等、事前に確認しておくべきことがいくつかあります。

この記事では、そんな短期滞在ビザに関する基本的な情報から、具体的な申請の流れ、必要書類までを初心者の方にもわかりやすく解説します。この記事を読めば、短期滞在ビザに関する疑問が解消され、スムーズな手続きを行うためのヒントが見つかるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

1.短期滞在ビザの基本情報

短期滞在ビザは、日本に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡等に対して許可されるビザです。これらの活動の中に、収入を伴う活動は含まれていませんので、このビザで就労活動を行うことはできません

短期滞在ビザの在留期間は、15日、30日、90日のいずれかの最小限必要な期間で許可されます。どの期間で許可されるかは、滞在目的によりますが、滞在希望日数が増えるほど、審査は厳しくなる傾向にあります
例えば、日本人の恋人と遊園地で遊んだり、買い物を楽しみたいという方が、90日間の短期滞在ビザを申請した場合、遊園地や買い物を楽しむのに90日も必要ないのではないか?他に目的があるのではないか?と疑念を持たれる可能性があり、90日で許可される可能性は低いです。
一方、日本に住む親族の出産前後の手伝いや介護等、合理的な理由のある目的で90日間の短期滞在ビザを希望する場合は、その他の要件を満たすことが前提ですが、整合性のとれた滞在予定表を丁寧に作成をすれば、90日で許可される可能性はあります。

また、短期滞在ビザは、日本に短期間滞在することを目的として許可されるビザであることから、1年のうち180日を超えて日本に滞在しようとする場合は、かなり厳しく審査されます。なぜなら、1年の大半を日本で過ごすのであれば、日本に拠点をおいて何らかの活動(例:就労活動)をしている可能性が高い(別のビザに該当する可能性がある)とみなされるからです。ちなみに、180日の数え方は、許可日数の合算ではなく、実際に日本に滞在していた日数の合算です。

短期滞在ビザの取得が免除される国・地域は、2025年8月現在、73の国・地域です。詳しくはこちらをご覧ください。免除国の外国人の方は、出入国港で入国審査官の質問に応じて、滞在目的、滞在期間、滞在先、連絡先、往復航空券、滞在費用等を説明し、上陸許可を申請した後、短期滞在の上陸許可を得ることになります。

2.短期滞在ビザの種類について

短期滞在ビザには、一次査証(シングルビザ)と数次査証(マルチプルビザ)があります。それぞれの特徴について、次の表で確認し、必要なビザを申請するようにしましょう。

  一次査証(シングルビザ)

数次査証(マルチプルビザ)

入国回数

1回限り

有効期間内は何度でも

有効期間

原則として発行から3か月

1年、3年、5年、10年等、申請者の属性や目的によって異なる

1回の滞在期間

15日、30日、90日のいずれか

90日以内
主な対象者

観光、親族訪問、短期商用等、1回の渡航で用件が完結する人

頻繁に日本を訪れるビジネスパーソンや日本の永住者・長期滞在者の配偶者や子ども、特定の要件を満たす富裕層等

手数料 3,000円~(国によって異なる)

6,000円~(国によって異なる)

3.短期滞在ビザの申請の流れ

短期滞在ビザの申請手続きは、複雑で分かりにくいと感じる方も多いかもしれません。そこで、外務省のHPに、一般的な申請の流れが分かりやすく示されていましたのでご紹介します。この図で全体の流れをつかんでみましょう。

4.短期滞在ビザ取得のための提出書類

最後に、海外で暮らす外国人を短期滞在ビザで呼び寄せるための一般的な必要書類についてご紹介します。(申請者の状況や国によって、以下にご紹介した書類以外のものを求められることもありますので、ご注意ください。)
短期滞在ビザの申請は、申請書が受理されてから1~2週間程度で結果が出ますが、滞在予定表に書かれた予定の初日が審査期間中と重なる場合は、差し戻されるか、不許可となりますので、短期滞在を希望する1か月前には、在外公館に申請書を提出するようにしましょう

(1)親族・知人訪問の場合

まずは、親族・知人訪問のために、海外にいる外国人が日本に短期間滞在することを希望する場合の必要書類をご紹介します。申請書等については、2025年8月時点の様式のリンクを貼っておりますが、頻繁に様式が変わるため、申請する前に必ず外務省のHPを確認し、最新の様式をダウンロードして使用するようにしてください。

親族:申請者(海外で暮らす外国人)の三親等以内の親族

知人:申請者の四親等以上の親族(例:いとこ)、友人、交際相手

【申請者が用意する書類】

  • ビザ申請書 
  • 写真(縦4.5cm×横3.5cm)
  • パスポート
  • 利用予定の航空便又は船便が記載された書類(出入国予定日が分かるもの)
  • 渡航費用を負担する能力を証明する書類(例:通帳のコピー)
  • 【親族訪問の場合】親族関係を証明する書類(例:出生証明書、婚姻証明書等)
  • 【知人訪問の場合】交流の記録が分かるもの(例:写真、SNS等の交流履歴)

【招へい者(親族・知人)が用意する書類】

  • 招へい理由書 
  • 招へい理由に関する書類(例:イベント等が分かる書類)
  • 滞在予定表 
  • 【招へい者が渡航費用を負担する場合】身元保証書 
  • 【招へい者が渡航費用を負担する場合】直近1年分の課税証明書
  • 【招へい者が渡航費用を負担する場合】通帳のコピー
  • 【招へい者が渡航費用を負担する場合】世帯全員分の住民票(マイナンバー不要)
  • 【招へい者(外国人)が渡航費用を負担する場合】在留カードの表裏のコピー
  • 【招へい者(外国人)が渡航費用を負担する場合】パスポートのコピー
  • 【複数の外国人を呼び寄せる場合のみ】申請人名簿 
  • 【フィリピン人を呼び寄せる場合のみ】駐日フィリピン大使館又は領事館で認証を受けた宣誓供述書(AOS)
(2)短期商用の場合

次に、短期商用のために、海外にいる外国人が日本に短期間滞在することを希望する場合の必要書類をご紹介します。
なお、短期商用とは、会議出席や業務連絡、市場調査等を指し、これらが外国の企業における業務の一環として行われるもので、外国の主な業務に従属して日本で行われる業務であることが必要です。
こちらも申請書等については、2025年8月時点の様式のリンクを貼っておりますが、頻繁に様式が変わるため、申請する前に必ず外務省のHPを確認し、最新の様式をダウンロードして使用するようにしてください。

【申請者が用意する書類】

  • ビザ申請書 
  • 写真(縦4.5cm×横3.5cm)
  • パスポート
  • 利用予定の航空便又は船便が記載された書類(出入国予定日が分かるもの)
  • 商用であることを証明する書類(例:所属先からの出張命令書、派遣状等)
  • 在職証明書

【招へい者(会社)が用意する書類】

  • 招へい理由書又は在留活動を明らかにする書類(例:会社間の取引契約書、会議資料等) 
  • 【複数の外国人を呼び寄せる場合のみ】申請人名簿 
  • 滞在予定表 
  • 【招へい者が渡航費用を負担する場合】身元保証書 
  • 【招へい者が渡航費用を負担する場合】法人登記簿謄本又は会社団体概要説明書
  • 【フィリピン人を呼び寄せる場合のみ】駐日フィリピン大使館又は領事館で認証を受けた宣誓供述書(AOS)

5.まとめ

この記事では、短期滞在ビザに関する基本的な情報から、具体的な申請の流れ、必要書類までを解説しました。
短期滞在ビザの申請は、ご自身で進めることももちろん可能ですが、ご自身の状況に合わせて書類を準備し、申請手続きを行うのは、時間も労力もかかる大変な作業です。また、不備があった場合は再提出となり、さらに時間を要してしまう可能性もあります。
そんな時は、ビザ専門の行政書士に相談するのも一つの選択肢です。行政書士は、お客様の状況を詳しく伺い、必要な書類の準備から申請手続きまでをサポートします。これにより、お客様はよりスムーズかつ確実に手続きを進めることができるでしょう。もし、短期滞在ビザの申請に関してご不安な点やご不明な点がありましたら、当事務所にご相談ください。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に深く関わってきました。
その経験を活かし、行政書士としてより専門的なサポートを行うため、一念発起して資格を取得しました。
2025年5月に、広島県東広島市で国際業務専門の「かざはな行政書士事務所」を開業。
ビザ申請や帰化申請を中心に、外国人の方と企業の皆さまを支援しています。

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