家族滞在ビザとは

投稿日:2025年7月27日

家族滞在ビザは、一定の在留資格を持って日本で暮らす外国人の扶養家族を受け入れるために設けられたビザです。家族であれば、どのような状況でも受け入れ可能というわけではなく、いくつかの条件があります。また、状況が変われば、他のビザに変更する必要もあります。

この記事では、家族滞在ビザの基本情報や家族滞在ビザを持つ子どもが、高校卒業後に就職内定となった場合のビザ変更について解説します。

1.家族滞在ビザの基本情報

家族滞在ビザは、次のビザを持って在留する外国人の扶養を受ける配偶者又は子どもとして行う日常的な活動に対して許可されるビザです。

扶養者(本体者)として認められるビザ:教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務(以下、技人国)、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号、文化活動、留学

このビザは、扶養を受けることが前提となっているため、日本で暮らす目的が本体者に依存するものではなく、独立して何かの活動に従事することを希望する場合は、それに対応したビザを取得する必要があります。例えば、配偶者が本体者の扶養に入らず、会社を経営しようと考えている場合は、経営・管理ビザを取得する必要があります。なお、本体者が持つビザが、就労活動を認められていない文化活動や留学の場合は、配偶者や子どもが日本で暮らす間の生活費を確実にまかなうことができる手段があることを証明する必要があります(奨学金や預貯金、親の仕送り等)。

配偶者については、法律婚が成立している必要があります。ここで言う法律婚とは、日本の法律に照らして結婚が成立しているかどうかになります。よって、日本で法的に認められていない同性婚や一夫多妻制の第二婦人は、家族滞在ビザでは在留できません(特定活動ビザを検討することになります)
子どもについては、実子、養子、認知された非嫡出子(婚外子)が対象となります。年齢制限は法律上規定がありませんが、年齢が上がれば上がるほど(18歳以上)、許可の難易度は上がります。加えて、子どもが18歳未満でも、結婚している場合は、家族滞在ビザを取得することはできません。

また、家族滞在ビザで在留している間は、原則、就労活動を行うことができません。ですが、資格外活動許可を得れば、週28時間以内でアルバイトをすることはできます。留学ビザでは、学校が休みの期間は週40時間まで働くことができるとされていますが、家族滞在ビザは年中ずっと週28時間以内であることに注意が必要です。加えて、就労ビザを持っている本体者よりも収入が多くなると、次の更新申請で不許可となる可能性が高くなりますので、注意が必要です。

なお、家族滞在ビザは、本体者が在留する間に限って、日本に在留することが認められるビザですので、本体者が帰国する等、日本に在留しなくなった場合は、家族滞在ビザの方は、日本に在留する理由が無くなっている状態となります。家族滞在ビザの在留期限までは日本に在留することができますが、引き続き日本で暮らしたい場合は、早めに他のビザへ変更許可申請することをおすすめします。

2.家族滞在ビザの審査のポイントについて

家族滞在ビザの申請に対する審査のポイントは次の5つです。

  1. 本体者の生計が安定しているか
  2. 配偶者については法律婚が成立しているか、同居を前提として本体者に経済的に依存しているか
  3. 子どもについて、本体者の監護養育を受けているか、養子の場合は養子縁組手続きが完了しているか
  4. 同居予定の部屋の広さが人数に応じた広さになっているか(単身用のアパートは認められません)
  5. 本体者と配偶者等の素行面に問題が無いか(犯罪歴や税金等の未納が無いか)

上記のポイントに基づいて、申請資料を準備し、申請書と共に入管に提出することとなります。

3.家族滞在ビザの子どもが高校卒業後に働く場合

家族滞在ビザを持って日本に在留している子どもが成長し、高校卒業後に就職が決まった場合に変更できるビザについてもご紹介します。
まず、一般的な就労ビザである技人国ビザは、大学を卒業し、大学で学んだ分野と関連のある業務に従事する際に許可されるビザであるため、高卒では認められません。その他、技能ビザや特定技能ビザも従事できる分野は限られているため、高卒後に事務職等の一般職で働く場合は、該当しません。

このような場合に該当するビザが、定住ビザ特定活動ビザです。この2つのビザが該当する状況は次のとおりです。

  • 定住ビザ
    17歳までに入国し、小学校、中学校、高校を卒業し、就職内定
  • 特定活動ビザ
    ①17歳までに入国し、高校に入学・卒業し、就職内定+日本で暮らす親の身元保証
    ②17歳までに入国し、高校に編入学・卒業し、N2合格した後、就職内定+日本で暮らす親の身元保証

入管のHPにもこの情報が掲載されています。詳しくは、こちらをご覧ください。

4.家族滞在ビザ取得のための提出書類

今回は、日本に在留している外国人が、海外で暮らす配偶者や子どもを日本に呼び寄せるために、家族滞在ビザの認定証明書交付申請をする場合の必要書類についてご紹介します。(申請者の状況によって、以下にご紹介した書類以外のものを求められることもありますので、ご注意ください。)

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 460円切手を貼った返信用封筒(宛名記入)
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • 申請理由書
  • 【配偶者の場合】本国で発行された結婚証明書の写し
  • 【子どもの場合】本国で発行された出生証明書の写し
  • 本体者の在留カード又はパスポートの写し
  • 配偶者、子どものパスポートの写し
  • 卒業証明書又は在学証明書
  • 【本体者が就労者の場合】在職証明書又は営業許可書の写し
  • 住民税の課税証明書又は納税証明書(直近1年分/1年間の総収入、課税額、納税額が記載されたもの)
  • 本体者の預金通帳の写し
  • スナップ写真(双方の両親や配偶者、子どもと写った写真を5枚以上)
  • メールやLINE、SNSでのやりとり、通信記録を印刷したもの
  • 住居の写真(外観、玄関、台所、リビング、寝室)
  • 住居の不動産賃貸借契約書の写し(不動産を所有している場合は、登記事項証明書)

※外国の書類はすべて日本語に翻訳が必要です。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に興味を持ちました。その後、一念発起して行政書士試験を受験し、合格することができました。
2025年5月に、広島県東広島市で
国際業務専門のかざはな行政書士事務所を開業しました。ビザ申請や帰化申請の代行サポート業務で、皆さんのお役に立つため、猛勉強の毎日です。

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