4か月の経営・管理ビザについて

投稿日:2025年7月5日

経営・管理ビザを取得するには、本来、会社設立後にビザ申請をする必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
ですので、海外に住んでいる外国人が、日本で起業し、経営・管理ビザを取得するためには、日本に住んでいる協力者に手伝ってもらて、予め口座開設や会社の設立をした上で、ビザ申請をする必要があります。しかし、日本に住んでいる協力者がいない場合でも、日本で会社を設立したいと思われる外国人の方はたくさんいらっしゃると思います。
そのような方たちに向けて、2015年4月に新設されたのが、4か月の経営・管理ビザです。
このビザを申請する際は、通常必要とされる法人登記事項証明書や日本の銀行口座、事業所の賃貸借契約書等は必要ありませんが、正確なプロセスを理解しておく必要があります。

この記事では、4か月の経営・管理ビザの特徴や申請に必要な書類にはどのようなものがあるかについて解説します。

1.4か月の経営・管理ビザとは

4か月の経営管理ビザは、日本での会社設立を計画している海外在住の外国人が、会社設立前の準備期間に日本に在留して、日本で準備を進めることができるビザです。
会社の設立準備のために、90日の短期滞在ビザで来日しても、在留カードが発行されないため、住民登録ができず、会社設立に向けた手続きを進めることができません。ですが、4か月の経営・管理ビザは、在留カードが発行されるため、会社設立に向けた様々な手続きを行うことができます。

それでは、4か月の経営・管理ビザの特徴を詳しく見ていきましょう。

(1)ビザ申請時に、資金移動や事務所確保不要

4か月の経営・管理ビザを申請する時に、日本での事業計画書や認証前の定款等の説明資料から、会社を設立する準備を行う意思があることや設立がほぼ確実に見込まれることが確認され、申請が認められれば、日本国内の協力者の口座への送金や事務所の確保をあらかじめしておく必要が無くなります。
4か月の経営・管理ビザを取得して来日した後に、自分で開設した口座に送金したり、事務所を確保する等、資金移動を伴う活動ができるのがこのビザの大きな特徴です。協力者とは言え、他人の口座に送金する必要が無いというのは、心理的な負担が軽減されますし、来日前から事務所を確保して賃料を払い続ける必要も無くなりますので、経済的負担も軽減されます。これは、非常に大きいメリットと言えるでしょう。

(2)住民登録ができる

4か月の経営管理ビザは、住民票を作成することができる最短の在留資格です。住民登録ができれば、印鑑登録や携帯電話の契約ができ、銀行口座の開設(開設できる銀行は限られます)や事務所の賃貸借契約もできるようになりますので、会社設立に向けて、手続きを進めていくことができます。

(3)4か月の在留期間中に会社を設立し、ビザ更新の手続きをする必要がある

4か月の経営・管理ビザの期限内に、会社設立の手続きを完了させ、1年間の経営・管理ビザへの更新手続きを行う必要があります。その手続きをするために許可されるビザだからです。

更新手続きには、会社設立後の登記事項証明書、賃貸借契約書、財務状況の報告、今後の事業計画等、会社運営の実績と将来計画を示す書類が必要となります。

2.4か月の経営・管理ビザ申請の流れ

通常の経営・管理ビザの申請よりも、少ない書類で申請できる4か月の経営・管理ビザですが、会社の経営を予定しているビザであるため、やはり事前に準備する書類の内容はしっかり作っておく必要があります。
以下に、4か月の経営・管理ビザ申請とその後の一般的な流れをご紹介します。

STEP1

定款案を作成する

※会社の基本情報(会社名、事業目的、資本金等)を作成します。最初に従業員を雇用する予定が無ければ、資本金は500万円以上に設定する必要があります。認証を受けておくことが望ましいとされていますが、提出資料から会社設立がほぼ見込まれると判断できる場合は、認証が無くても許可される場合があります。

STEP2

事業計画書を作成する

※事業内容の詳細と最低1年間の収支計画を作成します。事業内容が実現可能であり、かつ安定性と継続性があるかどうかがチェックされます。特に、年間の売り上げが1,000万円以下である場合、継続性が低いと判断される可能性がありますので、注意が必要です。なお、今まで働いてきた事業内容と同じ事業をする場合は、経験値があるため、そのような背景も説明すると、評価は高くなります。

STEP3

会社の候補地を決める

※事業所の賃借契約をすることまでは求めらていませんが、どの地域でどのような物件を契約する予定か、候補地の書類を提出する必要があります。

STEP4

必要書類がそろったら、4か月の経営・管理ビザの在留資格認定証明書交付申請をする

※申請は、外国人本人が行いますが、日本でしか申請ができませんので、来日して申請するか、行政書士に依頼して申請するようになります。審査に3か月ほどかかります。

STEP5

在留資格認定証明書が届いたら、申請者が在外日本大使館等で査証申請し、ビザの交付を受ける

STEP6

在留資格認定証明書が交付されてから、3か月以内に日本に入国する

※3か月以内に入国しないと、この在留資格認定証明書は無効となり、再度申請する必要があります。

STEP7

住居地を決め、14日以内に市役所で住民登録する

STEP8

会社設立に向けた手続きを行う

※4か月の間に、銀行口座の開設、資本金の送金、事務所の確保、法人設立登記、税務署への各種届出等、やることは沢山あります!

STEP9

経営・管理ビザの在留期間更新許可申請をする

※許可される場合は、1年の在留期間であることがほとんどです。

STEP10 許可後に、事業開始!

3.4か月の経営・管理ビザ申請のための提出書類(経営活動)

最後に、海外在住の外国人が、日本で新設会社(カテゴリー4)を経営するために、4か月の経営・管理ビザの申請をする場合の必要書類についてご紹介します。(申請者や会社の状況によって、以下にご紹介した書類以外のものを求められることもありますので、ご注意ください。)

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • パスポートの写し
  • 履歴書(経歴書)
  • 定款の写し
  • 事業所の候補地を示す書類
  • 事業計画書
  • 残高証明書
この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に興味を持ちました。その後、一念発起して行政書士試験を受験し、合格することができました。
2025年5月に、広島県東広島市で
国際業務専門のかざはな行政書士事務所を開業しました。ビザ申請や帰化申請の代行サポート業務で、皆さんのお役に立つため、猛勉強の毎日です。

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