日本人が日本に住む外国人と結婚した場合のビザ申請とは?

投稿日:2025年6月7日

日本人が、日本で暮らす外国人と結婚する場合、日本と外国の公的機関で婚姻関係の手続きを行う必要があります。そしてその後、外国人は、日本に在留する理由が変わるため、ビザの変更申請も必要となります。ですが、結婚すれば必ず配偶者ビザがもらえるというものではありません。例えば、2人の年齢差が大きい場合、別居している場合、結婚までの交際期間が短い場合、複数回の離婚歴がある場合等は偽装結婚を疑われ、審査が厳しくなる傾向にあります。愛のある本当の結婚でも、証拠書類の立証力が足りないと、不許可になることもあるということです。

この記事では、日本人が日本で暮らす外国人と結婚した場合の日本人の配偶者等ビザ(以下、配偶者ビザ)の申請の流れや基本的な提出書類に加えて、ビザを変更しない方がよい場合についても解説します。ぜひ参考にしてみてください。

1.申請の流れ

日本人が日本で暮らす外国人と結婚し、配偶者ビザの取得を希望する場合は、「在留資格変更許可申請」を行う必要があります。

申請の流れは以下のとおりです。

  1. 日本と本国の公的機関で婚姻関係の手続きを行う(外国人が日本で暮らしている場合は、日本の公的機関から手続きを始めた方が、スムーズな場合が多いです)
  2. 入管に在留資格変更許可申請をする
  3. 入管が審査する(1~3か月)
  4. 入管から審査結果が届く ※不許可の場合はここで終了⇒再申請も可能
  5. 入管に新しい在留カードを受け取りに行く

2.配偶者ビザ変更申請のための提出書類

続いて、配偶者ビザに変更申請するために必要な提出書類をご紹介します。(申請者の状況によって、以下にご紹介した書類以外のものを求められることもありますので、ご注意ください。)

 

(1)申請者が外国人の夫又は妻の場合の提出書類

【共通書類】

  • 在留資格変更許可申請書
  • 質問書(英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語版もあります)

【外国人配偶者に関する書類】

  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • 本国で発行された結婚証明書
  • パスポート(原本提示)
  • 在留カード(原本提示)
  • 履歴書
  • 卒業証書又は在学証明書
  • 日本語能力を証明する書類(日本語能力試験の合格証明書等)
  • 住民税の課税証明書又は納税証明書(直近1年分/1年間の総収入、課税額、納税額が記載されたもの)※日本で働いている場合のみ

【日本人配偶者に関する書類】

  • 戸籍謄本(婚姻の記載があるもの)
  • 住民税の課税証明書又は納税証明書(直近1年分/1年間の総収入、課税額、納税額が記載されたもの)
  • 在職証明書
  • 給与明細書の写し
  • 勤務先の会社案内(HPを印刷したものでも可)
  • 身元保証書(英語版もあります)
  • 日本人の世帯全員の記載がある住民票(マイナンバー不要)
  • パスポートの写し

【交際及び結婚の事実を裏付ける書類】

  • スナップ写真(友人や双方の両親、結婚式や旅行の際に撮影したもの等5枚以上)
  • メールやLINE、SNSでのやりとり、通信記録を印刷したもの

【住居・生計に関する書類】

  • 同居中又は同居予定の住居の写真(外観、玄関、台所、リビング、寝室)
  • 同居中又は同居予定の住居の不動産賃貸借契約書の写し(不動産を所有している場合は、登記事項証明書)
  • 扶養者の預金通帳の写し

※外国の書類はすべて日本語に翻訳が必要です。

(2)申請者が日本人の実子又は特別養子の場合の提出書類

【共通書類】

【日本人の実子等に関する書類】

  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • パスポート(原本提示)
  • 在留カード(原本提示)
  • 日本で出生した場合、出生届受理証明書又は認知届受理証明書
  • 海外で出生した場合、出生国の機関から発行された出生証明書又は認知に係る証明書
  • 特別養子の場合、特別養子縁組届出受理証明書又は日本の家庭裁判所発行の養子縁組に係る審判所謄本及び確定証明書

【親に関する書類】

  • 日本人の親の戸籍謄本又は除籍謄本
  • 扶養者の住民税の課税証明書又は納税証明書(直近1年分/1年間の総収入、課税額、納税額が記載されたもの)
  • 在職証明書
  • 給与明細書の写し
  • 勤務先の会社案内(HPを印刷したものでも可)
  • 身元保証書(英語版もあります)
  • 日本人の世帯全員の記載がある住民票(マイナンバー不要)
  • パスポートの写し

【住居・生計に関する書類】

  • 同居中又は同居予定住居の写真(外観、玄関、台所、リビング、寝室)
  • 同居中又は同居予定住居の不動産賃貸借契約書の写し(不動産を所有している場合は、登記事項証明書)
  • 扶養者の預金通帳の写し

※外国の書類はすべて日本語に翻訳が必要です。

3.配偶者ビザに変更しない方が良い場合

配偶者ビザを取得すると、就労制限が無くなったり、永住申請がしやすくなったりとメリットが多いですが、国際結婚したからと言って、急いで配偶者ビザに切り替えなくても良い場合があります。

(1)現在持っているビザの在留期限が5年の場合

外国人の夫又は妻が、現在5年の在留期限のビザを持っていて、今後も転職の予定が無い場合、急いで配偶者ビザに変更する必要は無いと考えます。なぜなら、配偶者ビザに変更すると、最初の許可では在留期限が1年となってしまう可能性が非常に高いからです。ですので、今後、退職や転職をするときに、配偶者ビザへ変更する形でも良いかと思います。

(2)現在持っているビザが高度専門職ビザの場合

外国人の夫又は妻が、現在高度専門職ビザを持っていて、今後も転職の予定が無い場合も、急いで配偶者ビザに変更する必要は無いと考えます。まず、高度専門職1号ビザは在留期限が5年で、高度専門職2号ビザにいたっては、在留期限はありません。(1)と同様に、配偶者ビザに変更すると、最初の許可では在留期限が1年となる可能性が非常に高いので、変更するメリットはあまり無いのではないかと思います。また、高度専門職ビザを持っている方は、子どもが7歳になるまで、本国の両親を長期で呼び寄せることができる等の優遇措置がありますが、配偶者ビザにはそのような優遇措置はありません。ですので、今後、退職や転職をし、高度専門職ビザに該当しなくなるときに、配偶者ビザへの変更を検討されてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

かざはな行政書士事務所

代表行政書士 
佐々本 紗織(ささもと さおり)

プロフィール
前職の市役所勤務の中で、国際業務に従事し、外国人支援の仕事に興味を持ちました。その後、一念発起して行政書士試験を受験し、合格することができました。
2025年5月に、広島県東広島市で
国際業務専門のかざはな行政書士事務所を開業しました。ビザ申請や帰化申請の代行サポート業務で、皆さんのお役に立つため、猛勉強の毎日です。

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